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【#えぞ財団】 連載企画「#北海道経済入門」19 〜道北経済入門・留萌宗谷編~

【#えぞ財団】 連載企画「#北海道経済入門」19 〜道北経済入門・留萌宗谷編~

えぞ財団 2022年10月20日

北海道経済入門とは?


小樽商科大学4年生(休学中)の神門崇晶(カンドタカアキ)が北海道経済についての「今さら聞けない」 という部分を探っていきます。北海道経済の基本的な部分を理解していくことを、インフォグラフィックを通して試みるプロジェクトです。

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神門崇晶(かんどたかあき):小樽商科大学4年生(休学中)。
同大学に2019年に入学。同年11月に「カレーパンドラ小樽商大店」をオーナーと共にオープン。コロナ禍により同店を休業し、2020年にYoutubeチャンネル「おたる再興戦略室」を開設。これをきっかけに、2021年4月から「札幌解体新書」の学級委員長を務め、2022年1月より「北海道経済入門」がスタート。また、2022年6月より木下斉さんとの共同連載「データで見る地域のキホン」がnoteにてスタート。


導入


前回は、檜山振興局と渡島総合振興局の2振興局によって構成されている、道南地域の経済を見ました。道南全体の名目総生産は十勝と同規模の1.4兆円で、そのうち檜山は0.1兆円、渡島は1.3兆円です。檜山はそのうち第1次産業の割合が8.4%と比較的高く、渡島は北海道の構成比とほとんど同じ(①:4%、②20%、③75%)です。

【#えぞ財団】 連載企画「#北海道経済入門」18 〜道南経済入門~
https://note.com/ezozaidan/n/nc8e6ead665ea

さて、今回と次回の2回は振興局別に経済を見ていくのはラストとなります。留萌・宗谷・上川で構成される「道北経済入門」です。今回は、道北全体と留萌・宗谷を詳しく見て、次回に上川を見ていきます。

道北地域は、北海道第2の都市である旭川市や、全国的に平均所得が高い猿払村を擁する地域です。おそらく、道南地域のように経済規模や産業構造に大きな違いがあるはずです。では、見ていきましょう!

本日のインフォグラフィック


道北ってどんな地域?


道北地域の「今さら聞けない」基本的な部分をまずは見ていきましょう。
道北は、6市32町3村で構成されています。
留萌振興局(1市6町1村)
留萌市、増毛町、小平町、苫前町、羽幌町、遠別町、天塩町、初山別村
宗谷総合振興局(1市8町1村)
稚内市、浜頓別町、中頓別町、枝幸町、豊富町、礼文町、利尻町、利尻富士町、幌延町、猿払村
上川総合振興局(4市18町1村)
旭川市、士別市、名寄市、富良野市、鷹栖町、東神楽町、当麻町、比布町、 愛別町、上川町、東川町、美瑛町、上富良野町、中富良野町、南富良野町、占冠村、和寒町、剣淵町、下川町、美深町、中川町、幌加内町、音威子府村

面積は 18,691㎢で北海道全体(8.3万㎢)の22.4%を占めています。日本で2番目に大きな岩手県(15,278 km²)よりも広大な地域です。
人口(令和3年住民基本台帳)は59.1万人であり、北海道(約522万人)の11.3%を占めます。 

留萌振興局


人口:4.3万人
高齢化率:39.7%(男:33.8%、女:45.2%)




人口は4.3万人で、2045年には2.1万人に半減する推計です。
高齢化率は39.7%と北海道平均の31.9%よりも格段に高いです。要因としては、人口減少地域に共通ですが、20~29歳の女性が少ないことが挙げられます。また、2045年には老年女性の割合が非常に高くなり、医療・介護の需要が爆増することが考えられます。

宗谷総合振興局


人口:6.2万人
高齢化率:33.9%(男:29.6%、女:38.1%)




人口は6.2万人で、2045年には3.3万人に半減する推計です。
高齢化率は33.9%と北海道平均の31.9%より少し高いです。団塊世代(73~75歳)、団塊ジュニア世代(47~51歳)のボリュームが大きいことが特徴です。そのため、20年後の人口ピラミッドで、90歳以上女性、70~74歳のボリュームが大きくなっています。

上川の人口は、次回詳しく見ていきます。

道北の歴史①


道北の中心地は上川総合振興局に属する旭川市です。これは明治期から現在に至るまで変わりません。なので、「産業と経済の要衝地」として発展してきた旭川の歴史を簡単に振り返りたいと思います。

旭川は北海道のほとんど中心地で、採炭地(空知)からも近いという利点があります。また、北海道は、道南(函館)・道央(札幌、小樽)・道東(根室、北見)がまず開拓されていったので、旭川は北見ー空知ー札幌をつなぐ結節点として重要な地点でした。北海道経済入門16・オホーツク経済入門で取り扱った囚人道路はまさに、北見と旭川をつなぐ重要な道なのです。

旭川には明治20年代から屯田兵が入植し始め明治31(1898)年には旧国鉄が滝川から旭川へ伸びて旭川駅が開業し、明治34(1901)年には大日本帝国陸軍第七師団が札幌から移駐し、終戦までは軍都として栄えました。2代目北海道庁長官の永山武四郎は、長官退任後に師団長となっています。(ゴールデンカムイに登場する永山は、退任後ということですね!)

この写真は、第七師団が丸井今井旭川店の前を通る写真です。

この鉄道開通で軍関係の物資輸送や人の往来が盛んになったことで、道北地域の「産業と経済の要衝地」となり経済が発展していきます。まさに物流の拠点です。そのため、明治から昭和にかけて旭川には倉庫群ができました。最盛期には21棟もの巨大倉庫が立ち並んでいたとされています。その名残は現在でも確認でき、上川倉庫株式会社の赤煉瓦倉庫の一部が現存しています。




戦後は軍都としての役割を終えましたが人口は増加し続け30万人を越えて、札幌に次ぐ北海道第2の都市となりました。かつての旭川には、馬鉄や路面電車も通っており、都市としてかなり発展していたことがわかります。

実は、現在の旭川に明治天皇の離宮を建てるという「北京(ほっきょう)構想」があったのですが、それについては次回の記事で詳しく扱います!

道北の経済・産業


それでは、経済・産業を見ていきましょう。

道北
域内総生産:2.1兆円
人口:59.1万人


道北の産業別総生産の構成比は、北海道の構成比(①:4.3%、②:20.5%、③:74.3%)と酷似しています。産業別就業者数は、①:9.9%、②:16.5%、③:73.6%で、中でも医療・福祉の割合が高いことが特徴です。

では、留萌・宗谷を詳しくみていきましょう。

留萌振興局
域内総生産:0.2兆円
人口:4.3万人


留萌地域は、2000億円の域内総生産のうち9%(180億円)を第一次産業で稼いでいます。そのうち58%が農業、40%近くを水産業が占めています。就業者数の割合は、①:16.3%、②:17.8%、③:66.0%と、第一次産業従事者がとても多いことが特徴です。ここでは、農業について詳しくみていきます。



道央は稲作が盛んな地域であり、留萌も同じように稲作が盛んです。経営体数こそ少ないですが、一経営体あたり耕地面積は空知・上川の1.5倍ほどであり大規模化が進んでいます。また、留萌振興局「留萌の農業(令和3年)」によると作付面積は年々減少しているものの、収穫量は微減にとどまっています。



農業経営体の大規模化は進んでいますが経営体数は10年間で15%減少しています。この減少傾向は3地域共通ですが、法人化する経営体は増加しています。

宗谷総合振興局
域内総生産:0.3兆円
人口:6.2万人


宗谷地域は、3000億円の域内総生産のうち18.3%(550億円)を第一次産業で稼いでいます。そのうち38%が農業、60%近くを水産業が占めています。就業者数の割合は、①:17.0%、②:20.7%、③:62.3%と、第一次産業従事者が留萌地域よりも多いことが特徴です。ここでは、水産業について詳しくみていきます。


こちらは漁獲量の推移です。年々減少していることは北海道のみならず日本全国の特徴ですが、ホタテの割合が20年間で大幅に上昇しました。ホタテの養殖業で有名な猿払村は、2020年の自治体別の1人当たり平均所得が531万円で北海道1位、全国でも12位となり、自治体の成功ストーリーとして扱われるまでになりました。

【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」④ 猿払村役場企画政策課・新家さん~「活気ある猿払村を後世に残すこと」が使命!”広報魂”と”猿払愛”~
https://note.com/ezozaidan/n/n61c1dd92d47f



赤く塗られているのが販売金額規が500万円未満の経営体の割合を示しており20年間で20%も減少し、500~1,000万円(紫)と1,000~2,000万円(緑)、2,000~5,000万円(青)の割合が上昇しており、稼げる経営体が増加したことがわかります。ただ、留萌と比較すると稼げる経営体の割合は少ないです。



稼げる経営体数が増加はしたものの経営体数自体は大幅に減少しており、後継者不足も大きな問題となっています。後継者が見つかっている経営体は全体のわずか25%ほどであり、産業全体の衰退が危ぶまれます。

まとめ

留萌・宗谷は、経済全体の大きさはそれぞれ2000億円・3000億円と小規模ではありますが、第一次産業が盛な北海道の中でも、農業・水産業の中心地と言えます。農業では大規模化が進み、水産業では20年前よりも稼げる経営体の割合が増加したものの後継者不足が深刻であり、多くの就業者をもつ第一次産業の衰退は地域全体の衰退へと繋がります。北海道のほとんどの地域では、このような課題を抱えていることを改めて認識することができたと思います。

引用・参考文献
北海道庁「令和3年住民基本台帳
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tuk/900brr/index2.html

・北海道庁「第128回(令和3年)北海道統計書
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1WcR2u8nYay5jvmVPwpFm6bGsPa8fwamf/edit#gid=656691794

・北海道庁「平成30年度(2018年度)道民経済計算年報

・北海道庁「令和2年国勢調査統計表

・北海道農政事務所「センサスからみた北海道農業~2020年農林業センサス結果より~
https://www.maff.go.jp/hokkaido/toukei/kikaku/gurafu_gaiyou/nougyo2020.html

・北海道留萌振興局「留萌の農業 2021

・北海道農政事務所「グラフでみる北海道の漁業」(令和2年)
https://www.maff.go.jp/hokkaido/toukei/kikaku/gurafu_gaiyou/gyogyou2010/gyogyo2013.html

・日経ビジネス『品川区より所得が高い北海道猿払村、ホタテ漁「公平な組織」で活力

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