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【#えぞ財団】 連載企画「#北海道経済入門」③ ~北海道の産業地図~

【#えぞ財団】 連載企画「#北海道経済入門」③ ~北海道の産業地図~

えぞ財団 2022年2月16日

北海道経済入門とは?


この連載では、小樽商科大学3年生の神門(カンド)が北海道経済についての「今さら聞けない」 という部分を探っていきます。例えば、北海道の経済の大きさはどれくらいなのか?それを構成する北海道の主要産業は何か?など北海道経済の基本的な部分を理解していくことをインフォグラフィックを通して試みるプロジェクトです。

神門崇晶(かんどたかあき):小樽商科大学3年生。
札幌北高校を卒業し1年間の浪人生活を経て、小樽商科大学に2019年に入学。同年11月に「カレーパンドラ小樽商大店」をオーナーと共にオープン。コロナ禍により同店を休業し、2020年にYoutubeチャンネル「おたる再興戦略室」を開設。これをきっかけに、2021年4月から「札幌解体新書」の学級委員長を務める。2020年からFMラジオ局で「神門たかあきのラジオしか勝たん!」という番組をもつなど様々な活動を行っている。

本日のインフォグラフィック


GDPと産業


前回までは、GDP(国内総生産)という真面目な切り口から経済について勉強しました。
GDPという概念は、我々の全体的な所得や生産を知る上では必要不可欠な要素であり、経済を理解するためには必須です。

【#えぞ財団】 連載企画「#北海道経済入門」② ~入門の入門・後編~
https://note.com/ezozaidan/n/n6bb2b6657b09

GDPは、我々の消費や生産、投資によって全体額が増えたり減ったりします。それらの諸活動は、何らかの産業が基盤としてなければ行われません。
例えば、第2次産業が盛んな地域は民間企業の生産や投資活動が活発です。
札幌市のような消費流通の性格の強い都市では、サービス業などの第3次産業が盛んであり民間消費が活発です。
そこで、北海道経済の全体像を見ていく前に
地域別にまとめた「北海道の産業地図」を作成しました!
どの地域ではどんな産業が主要に行われているのか?という点を改めて確認していきます。

今回の記事は、北海道経済部経済企画局経済企画課が出している
「平成30年度(2018年度)道民経済計算年報」を参考にまとめました。


産業について


まず、何が第1次産業や第2次産業に分類されるのかという点についてです。
第1次産業は、農林水産業です。
第2次産業には、製造業、建設業などが含まれます。

最も様々な産業を内包しているのが第3次産業です。
卸売・小売業をはじめ、金融業や不動産業、宿泊・飲食サービス業、情報通信業(IT産業)など多岐に渡ります。
これらは、総務省の「日本標準産業分類」で法的根拠の下に分類されています。


産業の発展段階は経済発展と大いに結びついています。
経済学ではペティ=クラークの法則というものがあります。

ペティ = クラークの法則とは、ある一国の経済が発展すると、それに伴い国民経済の中心の産業が第一次産業から第二次産業、第二次産業から第三次産業へと変遷すること。

つまり、発展途上国では第1次産業や第2次産業の割合が高く、先進国では第3次産業の割合が高いということを意味し、経済の発展に伴って発展途上国においても第3次産業の割合が次第に高くなっていくということです。
しかし、ITやテクノロジーが発展し、グローバル化が進んだ現代においては、第1次産業から第2次産業への発展をスキップしていきなり第3次産業の構成比が高くなるといったような現象も見られています。

ペティ = クラークの法則についてはこちらを参照ください。


北海道全体の産業構成


では、北海道の産業構成を見ていきます。

特徴的な点は、第2次産業が17.2%(全国26.4%)と、全体の20%にも達していない点です。反対に、第1次産業 (全国1.2%) 第3次産業 (全国71.9%) は構成比が大きいです。特に、第1次産業の構成比を見ると、食の王国と北海道を形容する言葉に合点がいきます。
なぜ、北海道では第2次産業の割合が低いのか?という点に関しては
僕が学級委員長を務める札幌解体新書の3時限目「経済・産業」において
詳しく取り上げました。


簡単に説明すると、北海道は石炭や木材などの資源依存型の産業構造が長い間続いてきたためです。
製造業では製紙・パルプ業などしか発展しなかったことに加え、これらは地場資本ではなく本州の大手資本によるものでした。そのため石炭が取れなくなると撤退する企業が多く、現在まで製造業が根付かなかったという背景があります。釧路の例が分かりやすいかと思います。この、資源依存型経済は北海道を象徴するワードだと思います。


また、北海道の製造業の内訳を見ると食料品加工業の割合が大きいことが分かります。詳しくは次回以降で触れていきますが、これに関しても歴史的に食料品加工業の割合が高かったことが確認されています。地域の産業構造は、その地の資源や歴史的な背景に影響されると解されます

 各地域の産業構成


2010年に「北海道総合振興局及び振興局の設置に関する条例」が制定・施行されました。これに則って、北海道は石狩振興局や後志振興局といったように全部で14の総合振興局・振興局に分かれました。
振興局の役割については、同条例第4条に以下のように明記されています。

振興局は、市町村と連携協力しながら地域の特性や資源を生かした施策展開を図るとともに、地域課題の解決や各種プロジェクトの推進、市町村に対する適切なサポートなどの役割を担うこと。

経済にまつわるデータなどはこの振興局単位で算出されています。

ただ、14総合振興局・振興局で分けると多すぎるので、今回は国交省が採用している6圏域を採用し、「道央・道北・道南・十勝・根釧・オホーツク」にまとめ直しました。この6圏域は、「主体的な経済社会活動を展開する観点」で分けられています。

国交省 北海道6圏域の特色等について.pdf
https://note.com/api/v2/attachments/download/9f4f00e42e2c86a9693e73980c894c04

ちなみに、道民にとって最も馴染み深い「道央・道南・道北・道東」という4区分は、条例など法的根拠をもった分け方ではなく、その時々によって圏域に含まれる地域が異なります。この時の「道東」には、十勝・根釧・オホーツクが含まれます。この点に関してはこちらをご覧下さい。


道央


石狩 (45.2%) + 空知 (4.8%) + 後志 (3.7%) +胆振 (8.9%) +日高 (1.2%)
 = 63.8%

2018年度、北海道全体の名目GDPは19兆6,528億円(全国比約3.5%)でした。この内、道央の名目GDPは12兆5440億円であり、実に63.8%も占めています。このように、数値として見ると道央地域の集中度合いが可視化されます。
道央地域は、苫小牧市、千歳市などの第2次産業が盛んな地域や、北海道最大の消費流通都市である札幌市が含まれています。そのため第2次産業(製造業、建設業)や、 第3次産業(卸売・小売業、宿泊・飲食サービス業)が主要産業となっています。
今までは、北海道全体の人口が減少していく中で札幌市の人口が拡大を続けて、北海道版一極集中が進行してきました。そのため、札幌市としては消費流通都市として拡大する民間需要によって経済が支えられてきました。
しかし、2022年1月1日の住民基本台帳で札幌市初の人口減少を記録しました。主要産業がない中で、200万人という膨大な人口を抱えながらこれまで発展してきた札幌市が、これからどのような都市を目指していくかを議論することは大変重要です。もちろん、北海道全体としてこれからどうしていくかという議論も大変重要です。 

道北


宗谷 (1.5%) +上川 (8.2%) + 留萌 (0.8%) = 10.5%

道北の名目GDPは2兆580億円であり、10.5%を占めています。
北海道第2の都市である旭川市を含んでいるため、主要産業には卸売・小売業などの第3次産業が挙げられています。また宗谷では水産業、上川では農業が主要産業であるため第1次産業と第3次産業の割合が大きいです。

道南


渡島 (6.6%) + 檜山 (0.6%) = 7.2%

道南の名目GDPは1兆4110億円
であり、7.2%を占めています。
道南地域は、面積・人口ともに最も小さい地域になるため、名目GDPは最も小さいです。北海道新幹線の開通など、陸路において本州との距離が最も近い、観光都市・函館市があるため、宿泊・飲食サービス業が主要産業です。また、水産業も盛んです。

十勝


十勝 (6.7%)

十勝の名目GDPは1兆3132億円であり、6.7%を占めています。
十勝地域は、まさに食料供給基地としての存在が大きいです。2021年の十勝の食料自給率は1339%と過去最高を記録しました。
また、大樹町におけるインターステラテクノロジズのロケット開発などに代表されるように、地理的条件を活かした産業育成の動きも活発化しています。 また、手付かずの豊かな自然もあるので、それらを活かした宿泊・サービス業の伸び代もあると思われます。

根釧


 釧路 (4.4%) +根室 (2.0%) = 6.4%

根釧の名目GDPは1兆2544億円であり、6.4%を占めています。
農業・水産業が主要産業です。

オホーツク


オホーツク (5.3%) 

オホーツクの名目GDPは1兆388億円
であり、5.3%を占めています。
農業・水産業が主要産業です。

釧路や根室、オホーツクには豊かな漁場があります。 ただ課題として挙げられるのは、豊かな資源があるからこそ陥ってしまう、資源依存型の経済ではないでしょうか。資源をとってただ横に流すだけでは高付加価値を産むことができない産業構造になってしまいます。

課題は、交通アクセスの不便さではないでしょうか。観光都市である函館市や、札幌市からのアクセスが悪いため道東にまで足を伸ばすという計画を立てにくいのかもしれません。

まとめ


今回は、経済を構成する大きな要素としての産業について確認しました。
地域別に産業を見ることによって、各地域の特徴が明らかになったと思います。次回以降は北海道経済の全体像(GDPの推移や、1人あたり所得など)や、各地域の産業をより詳しく見ていきます!

ちなみに、今回は「北海道の産業地図」としてまとめましたが
「北海道の業界地図」という書籍が出版されています。
これも併せて読むと良いかもしれません!


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