えぞ財団

この記事は会員限定コンテンツです。
ご覧いただくには会員登録が必要です。

会員登録済みの方はこちら

  • TOP
  • 【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ【スポーツ編】③」株式会社レバンガ北海道・横田陽~原動力は 「誰かを喜ばせること」 走る先をゴールにすべく、アクションし続ける〜
【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ【スポーツ編】③」株式会社レバンガ北海道・横田陽~原動力は 「誰かを喜ばせること」 走る先をゴールにすべく、アクションし続ける〜

【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ【スポーツ編】③」株式会社レバンガ北海道・横田陽~原動力は 「誰かを喜ばせること」 走る先をゴールにすべく、アクションし続ける〜

えぞ財団 2022年8月25日

組織のなかで、マチのなかで、もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。今回は「スポーツ特別編」です! 第3回目としてご紹介するのは、北海道で生まれたプロバスケットボールチーム、レバンガ北海道の代表取締役CEO、横田陽さんです。

横田 陽:株式会社レバンガ北海道代表取締役CEO。1976年生まれ、釧路市出身。イベントホールでのイベント企画業などを経て、2007年「レラカムイ北海道」を運営する株式会社FantasiaEntertainmentに入社。興行責任者、執行役員などを経て、2011年、株式会社ジャパンバスケットボールオペレーションへ入社し、T-1グランプリ事務局長兼プロデューサーに就任。2014年株式会社レバンガ北海道入社後、代表取締役CEOに就任。eスポーツチーム「レバンガ☆SAPPORO」や一般社団法人北海道eスポーツ協会を立ち上げ、理事を勤める。2021年より小樽なると屋フランチャイズ権を取得し、キッチンカーによる飲食事業をスタート。

幼少期から好きな「誰かを喜ばせること」が原動力…ライブエンタメの企画・運営


現在はレバンガ北海道代表取締役CEOを務めている横田さん。子どもの頃から野球や外で遊んだり、中学から大学時代までバスケットボール部に所属したりと、アクティブに過ごす時間が多い学生時代でした。
そんな横田さんが、オペレーション側へと大きくポジションを変えるきっかけは何だったのでしょうか?
今回のインタビューでは、普段あまり話す機会が無いという幼少期の様子にも触れ、ターニングポイントについて振り返ってくれました。
「もともと小さい頃から、人を楽しませたり驚かせることに興味がありました。『どうやったらクラスのみんなが盛り上がるか』とか、いつも考えていましたね。『自分が怒られても、周りが笑ってくれるならそこを担おう』と意識的にやっていたと思います」
周りを楽しませたいという気持ちが強い横田さんは、その後イベント企画業に携わります。「いろんなイベントやエンタメを側面からサポートして、ライブエンタメを間近で体験した7年間は、とても貴重でした。運営側だからこそ見られる、華やかなイベント終了後の何もない会場のステージを見るのが好きでした」


2007年、そんな横田さんに転機が訪れます。きっかけとなったのは、北海道における一大ファッションイベントである、「札幌コレクション(サツコレ)」の記念すべき第一回目。
実行委員として関わった際に出会った他の実行委員の主要メンバーがほぼ同世代であり、ゼロイチを生み出す仕事をしている様子を見て、『このままでいいんだっけ』という思いが宿ったそう。


「その頃、ちょうどレラカムイ北海道の誕生のタイミングで開幕戦の準備をしていたんですが、異動の内示があって、開幕戦を担当できなくなってしまったんです。そのことを球団側に伝えたところ、面接を勧められて…気がつけばあっという間に転職していました」
お子さんが誕生したタイミングでの転職に加え、北海道にバスケットボールチームを作るという、0からの挑戦…。様々な業務に忙殺される日々を過ごします。
「人的なリソースが無くて、とにかく記憶が無いくらい忙しかった。使命感もあったと思いますが、やるしかなかったんですね。
でも、最終的には、チームが無くなるという結果になってしまった。経営的な立場でいま振り返ると、『もっとできることがあった』『今の自分なら、もっと社長、会社を支えられた』と…正直なところ、悔しい気持ちも感じています」
そのような経験をしたからこそ、もう二度とそんな思いはさせたくないとも話す横田さん。いま掲げている理念は「感動を届けて世の中を笑顔にする」…誰かを喜ばせたいという根本は今も変わっていません。
「心を揺さぶられるような瞬間って普段そんなに訪れることはないですが、スポーツではそれを体験できる。子どものころの誰かを喜ばせる体験もそうですが、その空間にいる人が満足を得られることを第一にしていきたいですね」

レバンガ北海道 今シーズンの試合スケジュールはコチラ!


「答えは最初からあるわけじゃない。走りながら答えにしていく」


レラカムイ北海道運営会社の事業停止後、東京での仕事を経て、再び北海道へと戻った横田さん。東京では、T-1グランプリ事務局長兼プロデューサーに就任、日本一の漬物を決める全国大会を主催し、7000名の動員を達成するなど、大きな成果も挙げていました。
そのような活躍を見せるなかでバスケット界に戻るきっかけとなったのは、折茂さんからの言葉だったそうです。
折茂自らに『力を貸して欲しい』と声をかけてもらって…これは何があろうと助けにならなきゃいけないと思って、戻ってきました」といいます。しかし当初は営業部門ではなく、興行イベント企画部門の担当を依頼されていたのだそう。
「レラカムイの件もあって、絶対に結果を出さなきゃいけないとなると、数字や結果が見えやすい方がいいと思って営業にしてもらいました。
実際、どこかアウェイな雰囲気もあって…過去の肩書きだけで居ることは嫌だったので、『数字として結果が目にみえる、営業をやらせてほしい』と頼んだんです。そこからの一年は、これまでで一番頑張ったかもしれない(笑)」
絶対に結果を出す! とがむしゃらに働いて圧倒的な成果を残し、周りからも認められる存在になった横田さん。「答えを出してからスタートするのではなく、答えにしていく仕事だと思っています。誰かが成功して、既にビジネスモデルを確立しているものに乗っかれば絶対成功する、というわけではないじゃないですか。その頃にはもう遅かったりするんですね」
走りながら考えて、走った先がゴールになるようにアクションし続ける…横田さん自身が実績を積んできたこのスタイルは、チームとしての多角的なビジネスにも繋がっています。



バスケットボールを飛び出した領域への挑戦…eスポーツにキッチンカーへの参入


レバンガ北海道と言えば、eスポーツやサツドラとのEZOCA提携など、バスケットボールに留まらない領域への展開でもよく知られています。
eスポーツへの参入当初は社内やファンからの風当たりが強かったそうですが、「絶対に迷惑はかけない」と、プロリーグに参入。
その結果、「レバンガ☆SAPPORO」は一年目で日本一に輝き、多額の賞金と実績を手にしました。
先行者利益という点でも、取材やインタビュー・北海道eスポーツ協会の設立等へと繋がり、今では反対の声はもう聞こえません。



新規事業に手当たり次第参入するわけではなく、eスポーツには、これまでの経験を生かせるロジックがありました。
広告入りのユニホームを着て、グッズを作り、SNSでPRをする…ボールかコントローラーかの違いで、eスポーツへ活かせるノウハウは既に持っていたといいます。
「エンタメの追求と、勝っても負けても安定させてきた集客力、選手の価値を高めるマーケティングやブランディングといったノウハウがあったからこそ、リアルなチームを持っている僕らがeスポーツをやることは自然なことだと感じていました。
加えて、プロスポーツのチームとして、アスリートとしての教育ができるということが非常に大きいですね。それがゲームだけやってきた人たちとの圧倒的な差になる。 日本一が目的じゃなくて、業界が発展していくことを重要視し、『そのためのマインドセットが必要だ』という話も伝えています。
リアルと同じスポーツの感覚・考え方でいかないと、アスリートとは言えませんからね」
さらに、「“どうすれば新しいことを楽しくできるか”について考えていける組織を目指している」という横田さん。本業であるバスケットボールとシナジーが生まれることもまた、大きな要素になっています。
eスポーツの例で見ても、ゲームユーザーにとっては「レバンガ北海道」を知っている人は当初それほど多くなかったそうですが、eスポーツを通じて多くの人に「レバンガ北海道」の認知が広まっているそうです。


『小樽なると屋』との契約(2021年〜)も、eスポーツ同様、レバンガならではの可能性があったからだそう。
「スポーツ興行のなかでアリーナグルメは非常に重要ですが、圧倒的なブランドを作るのは簡単ではありません。既に知名度の高い『小樽なると屋』とフランチャイズを組むことは、いろんな意味で非常に相性がよかったんです」具体例を挙げると、品質の保ち方がマニュアル化されて安定しており、ワンハンドで食べられる。リスクの高い店舗展開では無く、キッチンカーでの販売ができる…など。
じゃあ立地をどうしようかという際には、出店の際に綿密なマーケティングを行っているサツドラと提携することで、レバンガと相性のいい層にダイレクトにPRすることも可能にしました。各取り組みからもレバンガのPRができる…食という一つの部門だけではなく、多角的な領域での貢献度を見ていくことが大事だと思います。


ファンのニーズを汲んだ新たな共創体験


オンラインサロン、クラウドファンディングと時代のニーズに応えてきたレバンガ北海道ですが、2022春からは「トークン」も導入。より参加体験が盛り上がることが予想されています。「ファンの楽しみ方って、人それぞれなんです。推しの人に会いたい人、試合を楽しみたい人…。中には、“お金を払ってでも生み出す側にいきたい”というニーズもあります。
そういったニーズを汲んで、例えば『リバウンドをとる係』を価値に変えて販売するような『共創体験』を創出して、ファンとの絆を深めクラブの成長に繋がっていくことを目的にしています。」
トークンもまた、ニーズによって価値が変動するもの。例えば純粋なレバンガ北海道ファンのほかにも、投資家が株主的な視点でクラブの成長を促したり、新たなアイデアに繋がる機会も大いにあるそうです。「クラブの価値を最大化するには、レバンガを必要とする“ロイヤルカスタマー”の母数をどう広げていくかが重要です。そのためには、それぞれのニーズに応えていかないといけません。お客さんからチームの一員になってもらう体験を生み出したい」と横田さん。ファンからのニーズをいかに聞き出すかに重きをおいて、そこから最適なソリューションを考えていくことを整えていきたいと話します。


コロナ禍の厳しい時期を乗り越え、更なる成長フェーズへ


リーグ内でも上位の平均来場者数を維持しているレバンガ北海道。これは、お客さんや地域との距離感を詰め、タッチポイントを増やすことでファンベースを創ってきたからこそ。
しかしコロナ禍では、スポーツ界も多大な影響を受けました。
2021〜2022シーズン、ワーストケースも想定して臨んでいたものの、2021年は年末から収容率を100%に戻せたことも一つの機運につながり、年末の試合には約4000人の来場者が会場に足を運びました。
しかしながら、これまで培ってきたオフコート活動や交流活動を行うことは難しい状況。集客という点では昨年度よりも上昇したものの、コロナ以前と比較すると、約半数程度しか戻ってきていない状況だと言います。横田さんは、2021〜2022シーズンを「社会的にも影響がある中でも、ブースターの方々が変わらず会場で応援していただいたこと、業績が厳しい中でも契約更新をいただいたパートナー企業の皆様…。多くの方々が支えてくださった1年だったと思います」と振り返ります。


スポーツの枠を超え、地域に密着した「レバンガ北海道」へ〜教育・医療・福祉…さまざまな分野との提携〜


レバンガ北海道のビジョンは、「世界に通用する選手の輩出」「バスケットゴールが溢れる社会をつくる」「最高のライブエンターテイメントを提供する」の三つですが、横田さんは、特にその二つ目を実現したいと強く考えているそうです。「時間は何年もかかるかもしれませんが、北海道の公園にバスケットのゴールが溢れていて…日曜には誰彼構わず、そこで試合を楽しんでいるような社会にしていきたいです。そんな社会が日常になっていたら、100%レバンガの価値も高まっていますよね。自分が現役でいてもいなくても、達成感も得られるのではと思います。
みんながレバンガのユニホーム着たりして、夢のアリーナがあって、地域密着で多くの方が応援に来て、学校では試合の結果が話題になって…そんな社会を実現したいですね」


既に地域や健康、教育や医療、社会の様々な分野と密接に繋がり始めているレバンガ北海道。ただチケットを売って試合を観に来てもらうだけが目的ではなく、地域の課題にスポーツが関わって解消していくという、新たなステージに進み出しています。
現在では色々な自治体と連携の協定を結んでおり、「スポーツっていろんな分野で活用できるんだね」と、スポーツ局だけではなく、子ども未来局や保健福祉局などからも声がかかるようになったそう。
僕らのやるべきことはこういうことだな、と感じていますし、これもまた『周りの人を笑顔にする』ということの一つの手段でもあります。
2021〜2022シーズンからの5年間は、更なる成長フェーズに舵を切るにあたり、チームの強化や環境整備に投資していかなければなりません。
これからも北海道の皆様をはじめとするレバンガ北海道を応援くださる全ての皆様に、感動と笑顔をお届けできるようなクラブを目指したいと思います」


(ライター:伊藤はるな)

Membership

地方の経営者による、
地方の経営者のための学び

「松山ローカル大学」はメンバーを募集しています

Price

会員料金

受講生

会員ならではの特典を活用して しっかり学びたい方におすすめ

月額11,000(税込)
  • 会員限定の交流イベントの参加
  • 全講座の参加権利(優先案内あり)
  • 講座アーカイブ視聴
※懇親会のみ実費
企業パートナー

従業員への教育ツール、情報のキャッチアップにおすすめ

年額660,000(税込)
(※請求書一括払い)
月額55,000(税込)
  • ロゴ掲載
  • 会員限定の交流イベントの参加
  • 全講座の参加権利(2名参加可能)
  • 講座アーカイブ視聴(社内利用可)

※懇親会のみ実費

オンライン学生

県外在住などでイベント参加ができない方におすすめ

10日間0
通常月額3,300円(税込)
10日間の無料期間あり!
  • 全講座アーカイブ視聴
単発受講

Peatix経由で都度イベントを申し込みいただき、単発で受講することも可能です

※イベントによっては人数上限があるので会員優先となりますのでご了承ください

Partner’s Contents

日本各地のパートナーが発信する情報

Video

動画コンテンツ

Article

記事コンテンツ