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【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」⑳株式会社大人・五十嵐慎一郎さん ~そもそも答えがない世界。「なんとなく良いかな、違うかな」を大事にするタイプ~
えぞ財団
2022年10月7日
もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。今回ご紹介するのは、五十嵐慎一郎さん。
目次
五十嵐慎一郎:1983年北海道小樽市生まれ。高校卒業後に上京し、東京大学建築学科卒業。現在は、株式会社大人 代表取締役社長・株式会社SHAKOTAN GO 代表取締役・株式会社LANDRESS取締役・北海道移住ドラフト会議実行委員会さーもんず・ほっとけないどう北海道事務局長・札幌移住計画代表・NoMaps総合プロデューサーと多動力を兼ね備えた、一児の父。
受験勉強せずにインドを旅した高校3年生の冬
札幌からJRで最短32分と気軽に訪れることができ、春夏秋冬魚介の宝庫である北海道小樽市。小樽市出身の五十嵐さんは札幌の高校に通い、一味違った高校生活を過ごしていました。
「高校3年の12月頃から3ヶ月くらい、インド旅行していました。夏の部活が終わってから周りは受験勉強をし始めていたんですが、僕自身は『大学に行きたい』という願望がなくて。本を読むのが好きで、その頃『深夜特急』という旅小説を読んでいて、旅おもしろそうだな~って思ったんです。そして帰国したのが2002年のFIFAワールドカップの時。グローバルな資本がどっと集まった光景を目の当たりにして、なんか半端なく落差を感じました」
高校在学中にインド旅行へ行き、帰国した際にワールドカップが開催されていたことがきっかけで、帰国から1年後に国際色豊かで多様性に富んだ国際基督教大学(ICU)の教養学部に入学した五十嵐さん。ICUは全体的な人数が他の大学に比べ少なく、男女比も3:7と女性の比率が多いといいます。
「小中高とサッカー少年だったんですが、ICUではゴリゴリ運動していた人たちがアメフト部に集結していて。『一緒に飯食いに行こうぜ!』とか『練習来いよ!キャッチボールしようぜ!』みたいな勧誘が毎日(笑)それが1ヶ月くらい続き『練習行ってみよう』ってなり、入部しました。結果楽しい日々を過ごしていたんですが、2年の終わり頃、なんか急に『あ、おれ、建築だ』ってなって」
初めて買ったゲームソフトは、プレイヤーが市長として街を運営していく”シムシティ”
大学3年生を目前にして、建築を学ぶためにICUを辞めることを決意した五十嵐さん。建築を学ぶには、就職をして大工になるか建築学部のある大学に再入学するしかないと思い悩んでいたそうですが、東京大学建築学科へ入学することを決め、翌年に一発合格をされています。
「小さい頃から砂場でダムを造ったり、架空の地図を作るのが好きだったんです。初めて買ったゲームもまちづくりのゲームだったし。コップの杯が溢れるみたいな表現あるじゃないですか。溢れる前は気づかないんだけど、溢れたら一気に気づくという感覚。建築に携わりたいという感覚はまさにそういう感じでした」
空間プロデュースの原点は、瀬戸内海が誇るアートの島”香川県・直島”?!
大学卒業後、不動産ベンチャー企業に入社。その後2016年に株式会社大人を設立し、空間プロデュースなども手掛けている五十嵐さんですが、建築を学んでいる際にあることに気づいたと話してくれました。
「東大に通っていた時、建築家の安藤忠雄氏の事務所でアルバイトしていました。それで実際に建築現場に行くこともあったのですが、いわゆる建築士と呼ばれる人はたくさんいるなと気づいて。建築物を造るってロマンや魅力はものすごくあるけれど、一方で発注してくれる人がいないとそもそも何もできないんじゃないかとふと思ったんです」
その後、安藤忠雄氏の代表作品である香川県直島の地中美術館へ行く機会があった五十嵐さん。「瀬戸内海に日本中から注目されているアートの島があって、とにかくものすごいんです。企業が直島を『アートの島にしよう』と言って、お金を投資して建築家や芸術家の方々に発注をして、美術館を造ったり、アート作品を展示したり。島の未来を描いて、そこにお金をどう生み出すかという考え方にものすごく刺激を受けた記憶があります」
これが現在事業として携わっている空間プロデュースのきっかけの一つとなっているといいます。
2021年より人口約1900人の積丹町”まちづくり”が始動!
2021年10月に株式会社SHAKOTAN GOという積丹のまちづくり会社を設立し、代表取締役を務めている五十嵐さん。その最初の事業として”岬の湯しゃこたん”の再生をするべく、現在は日々札幌から約1時間半かけて積丹に通い続けているそうです。
「弊社が温泉運営の民間譲渡先として決まり、今年の4月から本格的に再生プロジェクトがスタートしています。二十数年間、町が運営し地元の方々に愛されてきた温泉ですが、人口減少が進んで町としての継続はもう難しいとなっていたんですよね。ただ、積丹は夏場中心に観光客が多い場所でもありますし、これから様々なコンテンツと融合させて仕掛けていきます!」
小樽市出身の五十嵐さんは、幼少期の頃から毎年夏は家族で積丹の海へ遊びに行っていたといい、海の知識や楽しさを学んだ思い出の場所でもあると話してくれました。
その他、ウェディング事業にも携わっている五十嵐さん。北海道出身の妹さんご夫婦の結婚式を挙げる際、「大好きな自然の中で自由の利くオリジナルのウェディングがあってもよいんじゃないか。例えば『夜のパーティーはキャンプ場で!』とか。こうなったら北海道らしい自然の中での結婚式を自分たちで運営しちゃおう!」となり、現在妹さんが代表となり、LANDRESS WEDDINGを運営されているそうです。
おおらかでとにかくいつも応援をしてくれるご家族のおかげで「日々全力で楽しめている」と笑顔で語ってくれました。
LANDRESS WEDDING
現代に生きるロールモデルのいない学生の皆さんへ
2022年度から高校のカリキュラムにおいて開始されている”総合的な探求の時間”。“総合的な探求の時間は、変化の激しい社会に対応して、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標にしている(文部科学省 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/sougou/main14_a2.htm)”とされています。
ここ最近、学生向けの講演をすることが多いという五十嵐さんは、その講演の中で「人と違うことをするのが怖い」という学生の声が多数上がったと話してくれました。
「コロナ禍ということもあるけれど、やっぱり時代はめちゃめちゃ変わっている。今はその節目。だからロールモデルはいないから、自分で考えて、自分で行動して、自分で責任を取るということを意識してほしい。人と違うことをしないと人生もったいない!」
また、コミュニケーションの取り方や駆け引きの仕方、余裕の持ち方などを自然と仲間と一緒に学ぶにはアナログのボードゲームも一つの手段という話も。「例えばトランプ。ババ抜きをやっている途中に急にトランプタワーを作り出したり、トランプ投げて遊んだり(笑)アナログなゲームには、ルールを超えてはみ出す余地があると思うんです。自分はサッカー少年だったので、チームで戦うことも好きですし、このゲームみんなでどうやって遊んだらより楽しいかなと考えることが多くて、今の仕事もその延長線上にいる気がしています」
最近多いオンラインゲームにももちろんはみ出す余地はあるといいますが、アナログゲームならではの”派生して何か違う遊び方を仲間と一緒にする”ということに意味があるといいます。
2030年に向けて密かに準備していること
昨年ご結婚され、現在一児の父である五十嵐さん。お子様が生まれたことで何か心境に変化があったかをお聞きしました。「正直、思ったより心境は変わらないです。ただ思った以上に、かわいい。僕は経営者なので元々社員もある意味家族みたいな感覚なんです。なのでもしかしたら心境的には家族が増えたという感覚なんでしょうか。こんな僕を支えてくれている妻には、本当に日々ありがとうございますという一言に尽きます」
また、2030年札幌冬季オリンピック招致を見据え、密かに準備しているLINEグループがあるとか。「カーリング選手としてオリンピック出場目指してます!経験値は浅いですが、すでにメンバーは集まっていて、LINEグループもあるんです(笑)まだ8年あるので選考大会で番狂わせとかを起こせたらワンチャンあるかと!冬になったら通年利用できるカーリング場でメンバーと練習します」
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