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  • 【#えぞ財団】連載企画「この人、エーゾ」㉟一般社団法人SLDI代表理事・辻本智也さん~岩見沢発!子どもから高齢者までスポーツを通じて健康、笑顔になれるオンリーワンのスポーツクラブへ~
【#えぞ財団】連載企画「この人、エーゾ」㉟一般社団法人SLDI代表理事・辻本智也さん~岩見沢発!子どもから高齢者までスポーツを通じて健康、笑顔になれるオンリーワンのスポーツクラブへ~

【#えぞ財団】連載企画「この人、エーゾ」㉟一般社団法人SLDI代表理事・辻本智也さん~岩見沢発!子どもから高齢者までスポーツを通じて健康、笑顔になれるオンリーワンのスポーツクラブへ~

えぞ財団 2023年9月26日
辻本智也:1992年、岩手県盛岡市生まれ。岩手県の高校を卒業後、北海道教育大学函館校を卒業。スポーツ関連企業に就職するも、退職し、教育大岩見沢校修士課程(大学院)へ。修士課程2年時(2017年)に個人事業主として総合型地域スポーツクラブを立ち上げ、2019年に法人化し、現在へと至る。この他、3人制プロバスケットボールクラブHOKKAIDO IWAMIZAWA FUの共同代表、岩見沢市スポーツ推進委員も務める。趣味は、映画鑑賞と犬との散歩。

子どもの頃の夢は”億万長者になる”スポーツに没頭し、将来はスポーツで稼ぎたかった学生時代


岩見沢市に拠点を置き、”スポーツ×ヒト×地域が融合する総合型地域スポーツクラブSLDI”
の代表の辻本さんは出身は北海道ではなく、高校生までは岩手県盛岡市で育ちました。獣医で動物園園長の父、専業主婦の母の家庭で次男として生まれた辻本さんの子どものころの夢は”億万長者になる”でした。幼時からアイスホッケーを始め、小学校から大学まではサッカーに没頭する日々でした。高校から大学への進学時に、スポーツに関わる仕事に就きたい!と考え、北海道教育大学函館校地域創生専攻への進学を決意します。「スポーツに関連する仕事で、そもそもどんな仕事があるのかを知りたかったのもあり、一人暮らしで函館に行くことを選びました。大学時代はサッカー部で活動する傍ら、飲食店のアルバイトをしながらの学生生活でした。1年生の時に大学の総合型スポーツクラブ”SPORTS北海道”というサークルに先輩の誘いで入り、イベントを作ったり、子どもたちに教えたり、地域の方々と触れ合うことがとても楽しいと感じました。最終的にはサッカー部と両立しながらもサークル活動にも没頭し、スポーツ教室の責任者やサークルの運営委員長なども任され、50~60人くらい学生メンバーを取りまとめました。この経験が今考えると、現在運営するSLDIの設立やスポーツ庁も推進する総合型地域スポーツクラブという概念に大きくつながっていると思います。億万長者には程遠いですが(笑)地域の人や子ども達が参加しやすいクラブづくりを考えながら、いろいろな方や企業に支援や助言してもらいながらの日々ですが、ものすごく充実しています!」



大学卒業→ヤバい会社に就職→ニート→大学院と怒涛の20代前半


大学3年~4年の頃、辻本さんは就職活動する気はなく、ワーキングホリデーでニュージーランドに行こうと考えていましたが、周りはどんどん就職活動をし、内定をもらっていく中で、自分は遠くない将来どんな会社に就職したいんだろう?と考え、”英語 スポーツ ビジネス スポーツクラブ”とウェブで検索し、ヒットした海外スポーツに関連する企業にウェブからエントリーシートを出し、通過、社長面接でも「将来的には独立して企業、自分のやりたいスタイルの総合型地域スポーツクラブを立ち上げたい」と答え、合格しました。辻本さんは就職のため、本州に引っ越し、日本人顧客向けに海外スポーツの観戦チケットの手配や、旅行代理店への営業などを多い時だと100件以上一日でこなしていました。朝8時頃に出勤して、海外との時差があるなかでのやり取りもあり、夜10時に帰るという激務の日々でした。「今考えると決して良いと言える職場環境ではありませんでした。基本週一くらいの休みと、実質12時間以上の一日労働時間で、アポなし営業は当たり前、それに納得のいくような給料ではなくかなり大変な日々で会社としてはヤバめの会社でした。会社の人たちはいい人だったけど長くは続かず、4か月で退社しました」と当時を振り返ります。
その後実家に戻り、2か月ほど朝11時に起きて、ご飯を食べて、またベッドに戻り映画やテレビを見るといった完全なるニート生活をしました。このままではダメだ!と考え、バイトをしながら、”スポーツの専門性や知識を高めたい”と考え、北海道教育大学岩見沢校保健体育専修(大学院)に2016年、進学しました。



大学院時に総合型地域スポーツクラブを立ち上げ。夢は日本一の総合型地域スポーツクラブ!が厳しい現実


大学院ではスポーツ×教育、スポーツ×地域、バルシューレなどを中心に学んでいた、大学院2年時の2017年には学生ながら個人事業主として総合型地域スポーツクラブSLDIを立ち上げました。これまでは、北海道教育大学岩見沢校が無償で地域の子どもたちを対象に行ってきた地域貢献事業を辻本さんが有償化して事業として引き継ぐ形でのスタートとなりました。「当時いろいろな経験をして、自分の夢は億万長者から、日本一の総合型地域スポーツクラブを作ることになりました(笑)。大学院進学のために引っ越した岩見沢なら時夢を実現させるためのヒト、モノと拠点がそろっているのですぐに行動しようと考えました。一番最初は、子どもたち向けのバルシューレ、バスケ教室、バレーボール教室を始めました。辻本さんか北海道教育大学岩見沢校の学生を講師としてバイトで雇い、場所探しから、人集め、チラシ作りなど本当一人でやっていました。いざ始めてみたら、無償だったころは100人ほどいた子どもたちも、有償化に伴い20~30人ほどに減っていました。海外事例なども勉強していたため、辻本さんは本当に日本にはスポーツ教育にお金を払うという文化が根付いていないんだなと痛感した」と話してくれました。

「こんなクラブ価値無い」


辻本さんの夢でもある日本一の総合型地域スポーツクラブの実現のために、個人事業主として岩見沢を拠点に活動し、各スポーツ種目、週一のペースで教室を開講していましたが、かなり厳しい日々がいていました。スクールの運営、スクール生の募集、講師などすべてを一人でやっていたため疲労はたまる一方、有償化にしたことも影響し、会員集めにも苦慮していました。「体力的に金銭的に厳しいのはある程度覚悟していましたが、一番きつかったのはやめていく子どもの保護者からの言葉でした。『少年団に比べて我が子の上達が目に見えるスピードではない』『こんなクラブ価値無い』など厳しい言葉も浴びせられました。とてもつらかったですし、本当に仕事に行きたくない日もありましたが、指導歴や経営者としての経験も浅かったのは事実だったので、自分も反省できるところはしつつ改善し、地道に会員と同時にスポンサーや協力してくれる方々、スタッフを集め続けました。今考えたら短い社会人生活でしたが飛び込み営業で度胸がついていたので、頑張れました(笑)
持ち前のコミュニケーションの力と、そもそも人と話すのが好きだったことも幸いし、徐々に辻本さんの活動やSLDIの存在は地元岩見沢市の市民にも認知され出しました

”可能性の集まるスポーツクラブSLDI”思い描いていた夢が実現に向かって大きく動き出す。のべ4万人の子どもと触れ合う


岩見沢の地元の方との親交を広げ、北海道教育大学岩見沢校との連携を結び、社会人時代に短時間でも培った営業スピリットで、SLDIを立ち上げてから1年半後の2018年には会員数が100人を突破しました。これとともに、岩見沢市や幼稚園などからの事業依頼なども増えたこともあり、2019年、一般社団法人化しました。2020年には、会員数が150人ほどに成長し、理事としてスタッフも雇い入れて、事業も少しずつ多角化しました。現在も拠点は岩見沢市に置きつつも、活動の幅を道内外に広げ、多くの子どもたちへの指導などを通し、これまででのべ4万人の子どもたちとスポーツを通じて触れ合ってきました。
また、総合型地域スポーツクラブという存在自体の理解も深めてもらおうと、SLDIのメッセージを明確にするためブランディングにも取り組み、”可能性の集まるスポーツクラブSLDI”を合言葉に”「スポーツを日常に」スポーツを楽しむことで、可能性が溢れる地域を創造する。”というスポーツを通じて地域課題を解決し、さらには地域の持続的な発展に注力したいという辻本さんの想いが言語化されました。また、子どもの対象学年も幅を広げ、それまでのバルシューレ教室、バスケットボール教室、バレーボール教室に加え、新たにサッカー教室とスキー教室も増やしています。

地域スポーツクラブSLDIイメージムービー

岩見沢にプロスポーツを!バスケ3x3チームを共同創業者として発足。2023年9月には大会誘致で大成功


2020年、新型コロナウイルスが猛威をふるう真っ只中、リアルで子どもたちへの指導をするSLDIの売り上げは9割減という苦境に立たされていました。この時期には何かできないか?と考えていたころ、後の共同創業者の松重さんと話し、岩見沢発のプロスポーツチームの立ち上げを考え、3人制バスケットボール”3x3”の運営をするため合同会社の設立し、Hokkaido Iwamizawa FUが誕生しました。2021~22シーズンのリーグ参入が決まり、チームが始動しました。1シーズン目は4勝18敗と完全に負け越し、厳しい船出とはなりましたが、少しずつ岩見沢市民にも認知され、応援してくれる人たちが増えていくのを体感しました。シーズンオフには、スポンサー集めやファン向けイベントの企画、共同創業者としてチームの方針やブランディングなど多忙な日々を過ごして迎えた2022~23シーズンには、地元岩見沢市での大会誘致にも成功し、延べ6300人のファンを集め大成功となりました。この活躍が評価され、BEST OWNER OF THE YEARも受賞しました。2シーズン目も成績上は苦しいシーズンでしたが、「負けの数のほうが多いけど、着実にチームとしてもスポーツコンテンツとしても成長しています。市民から応援してもらうことも増えていてとても嬉しい。岩見沢から世界へということを目標に抱えているので、今後のやりがいを強く感じています。それと同時に課題も明確なので解決行かなければならないですし、プロスポーツクラブを運営していく大変さを痛感してもいます」と話してくれました。


岩見沢発で、子どもから高齢者までスポーツを通じて健康、笑顔になれるオンリーワンのスポーツクラブへ。


岩見沢を拠点に総合型地域スポーツクラブSLDIを日本一へ!という夢は達成したいと思っています。そのためには地道に着実に努力をしなければいけない。もっともっと地元の人たちと力を合わせて、きれいごとや理想論だけではなく、時には泥臭く、日本のどこにもないような、子どもから高齢者までスポーツを通じて健康、笑顔になれるオンリーワンのスポーツクラブに出来たらいいなと考えています。これが将来的には、スポーツだけではなく岩見沢だったり周辺の課題解決の一助になり、そこを一緒に考えて解決に導いてくれる人材を少しでも育てられたらと思いますし、スポーツがこのくらいの地域規模でもビジネスになるということを証明して、ほかの地域でもスポーツはビジネスや教育と本当に親和性が高いということを証明できるように頑張っていきたい。創業時は一人だけでやっていましたが、今は多くのスタッフや仲間がいるのでともに成長していきたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします!


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