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【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊱株式会社ビームスクリエイティブ・安武さん~夢への近道は”自分の好きなことに素直になること”自身の知見を北海道に還元できれば!~

【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊱株式会社ビームスクリエイティブ・安武さん~夢への近道は”自分の好きなことに素直になること”自身の知見を北海道に還元できれば!~

えぞ財団 2023年10月23日

もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。今回ご紹介するのは、安武俊宏さん。文化服装学院卒業後、ビームスに入社し、販売員やプレスを経験。2023年現在、ファッション業界18年目に突入し、自身のライフスタイルをデザインしながら今後も業界を先導し続けるキーマンは北海道育ちでした。




安武俊宏:1985年、福岡生まれ札幌育ち。北海道札幌北陵高等学校卒業後、上京し、文化服装学院 スタイリスト科(現ファッション流通科 スタイリストコース)を卒業。2005年株式会社ビームスに入社し、7年間の販売員を経て、2012年より株式会社ビームスクリエイティブのプレス勤務。現在はプレスチーフとして働きながら、服飾専門学校での講師なども兼任。最近はビームスサッカー部部長も務める一児の父。

ファッション好きだと気付いた”90年代後半の第1次スニーカーブーム”と”メンズノンノ”


福岡で生まれ、小学校4年生の時にお父さんの転勤で札幌へ引っ越しをした安武さん。現在は東京で生活をしていますが、幼少期から転勤族の家庭で育ち、日本国内の様々な土地での暮らしを経験されたそうです。その一方で、1990年代、世間には第1次スニーカーブームが訪れており、特にナイキのエアマックスが大流行していたとか。「90年代後半、当時僕は小学6年生だったのですが『エアマックスが欲しい!』って思って。友達のお父さんのコレクションを見せてもらったりしていたんですが、『エアマックス狩り』という言葉があったように本当にめちゃくちゃ人気で。この頃からファッションに興味を持ち始めた記憶があります」小学生時代から抱いていたファッションへの興味が高まる中、中学生になった安武さんはとある雑誌を愛読していたことがきっかけで進路が決まったと教えてくれました。
中学生になるとファッション雑誌を毎月買ってたんですよね。僕の場合はメンズノンノ。その当時はスタイリストが大人気で、スタイリストになりたいなって思っていて。それで雑誌に載っているスタイリストの経歴をみていると文化服装学院出身の方が多かったんです。なので中3くらいからは文化服装学院に行こうって決めてました!」中学時代は合唱コンクールの指揮者を担当したり、勉強にも力を入れて取り組んでいたという安武さん。しかし、高校入学前の早い段階から進路が明確になっていたため、高校入学後は遊ぶことをメインに楽しんでいたといい、勉強に集中していなかった時期もあったと当時を振り返ります(笑)



“セレクトショップ”に狙いを定め、就職氷河期を乗り越えた専門学生時代


高校を卒業し、志望していた文化服装学院のスタイリスト科(現ファッション流通科 スタイリストコース)に入学した安武さん。専門学校は2年制だといい、授業では一通りの仕事の流れや撮影時のディレクションの方法など、実際現場で働く際に必須となる幅広い内容を学ぶことができたそうです。「専門学校では、基本的な洋服作りや色彩、カメラワーク、雑誌のエディトリアルの勉強など、全般的に広く浅く勉強しました。実技では洋服を作ったのですが、初めて作ったのはYシャツでした。自分で生地を選んで、自分に合わせて型紙を作って、それを切り抜いて…というように。生地も触ったことがないし、ミシンも初めてだったので、最初は1枚のシャツを作るのに2ヶ月くらいかかっていたと思います。その他にも様々な洋服を作りましたが、最後はジャケットでした」
そして専門学校に入学して1年が経った頃には授業と同時並行で就職活動も始まった安武さん。当時は就職氷河期の時代でファッション関連の企業の募集もかなり少なかったと話します。
元々、1つのブランドの服だけでなく自由に服を着れる会社がいいなと思っていて。いわゆる『セレクトショップ』って呼ばれているようなところに入りたいと思っていたんです。それでいくつか考えていた会社があったのですが、ちょうど就職氷河期で募集していない企業がありまして。結果ビームスに1本に絞り、おかげさまで入社することができました」特定のブランドの商品のみを販売するのではなく、独自のコンセプトで選んだ複数のブランドの商品を販売するお店とされている”セレクトショップ”。今となっては当たり前のように見聞きする言葉となっていますが、当時はまだセレクトショップがメインのファッションエリアにしかなく、郊外型のショッピングセンターなどには出店していなかったため、どこのセレクトショップも店舗数がかなり少なかったそうです。


【文化服装学院卒業生】BEAMS プレスチーフ・安武俊宏さんに密着!

スーツフロアの販売員時代に学んだ社会のルールとコミュニケーション力


2005年に株式会社ビームスに入社し、当初はスーツのフロアを主に担当する販売員として銀座店と新宿店で約7年間働いた安武さん。社会で働く上で大事なポイントとなるお客様とのコミュニケーションの取り方や敬語の使い方などの土台となる部分はこの時代に訓練することができたといいます。「販売員時代はスーツのフロアのディスプレイ担当をしていましたが、最初は本当に大変でした。サイズの見方などの基本的なことから覚えて、売り場の全アイテムの接客をさせてもらえるようになるまで1年くらいかかった記憶があります。スーツを求めていらっしゃるお客様は年配の方も多かったですし、自分よりもスーツに詳しい方も多くて。それに接客する上でまずは自分自身が着ているスーツやシャツにしわがないかやパンツの丈がミリ単位で合っているかなど、細かい部分から意識することが必要不可欠で、当初は悪戦苦闘する日々が続きました」この他にも営業終了後には毎晩のように先輩方と試着大会をしてコーディネートの勉強をしたりなど、販売員時代にお客様や先輩方から学んだことは現在の安武さんにとって貴重な財産となっているそうです。

自身の知見を北海道に還元できれば!プレスは調整役が多い職種。情報をため込まず、共有と可視化を大切に


入社して7年が経過した2012年に株式会社ビームスクリエイティブのプレスに異動が決まり、現在は統括を行うプレスチーフとして30種類以上のブランドを取り扱っている安武さん。統括する立場になってからは現場を離れることも多くなったといいますが、ルーティン作業はほぼなく、変化の多い日々を送っていると話します。「プレスはプロモーションやメディア制作をメインとする部署で、約20名のメンバーがいます。僕はミーティングがとにかく多いですが、日によっては撮影に立ち会ったり、スタイリストに洋服を貸し出す業務なども行っています。僕らは『何かの媒体を介して商品の魅力をお客様に伝える』という仕事内容なので、コロナ禍はその間に介する媒体もほぼオンラインに振り切っていました。でも最近はオフラインが戻ってきて、リアルイベントを開催したり、紙のカタログを制作したりと徐々に昔に戻っている感覚があります。それとBEAMSは札幌に店舗がありますし、最近はフィジカルでのイベントなども増えてきているので、何か札幌店と絡むことなどもしていきたいですね。 地方自治体との取り組みも多く、数年前に阿寒湖へ出張に行ったこともあります。 自身の知見を北海道に還元出来れば、こんな嬉しいことはないですね」
また、現在の仕事の進め方を確立するまでは、仲介することや調整することが多い職種ということもあり、雑誌の撮影時に双方の話の内容が異なり、間に挟まれ、言葉では言い表すことのできない感情も経験したそうです。しかし、改善策を見つけ、自分の意志を大切にしたことが安武さんにとって大きな一歩に繋がったと話してくれました。「仕事柄、調整役に回ることがとても多いので、ここ2、3年は自分のタスクを溜め込まないように工夫してます。幸いなことに今は自分で判断できる立場をさせてもらっているので、なるべく即断して、自分のターンで止めないようにしたり。中でも特に意識しているのは『最初から自分の意見を持って相手に伝える』ということです。『こういう理由で自分はこう思いました』というのをはっきり伝えることで結果的にストレスフリーに繋がってます




“型にはまらないそれぞれのライフスタイルの魅力”と”社内恋愛が多い理由”


現在はプレスチーフとして様々な企画に携わっている安武さんですが、その中でも特に印象深いのはビームス社員の部屋をテーマとした書籍である” BEAM AT HOME(宝島社)”の企画だったそうです。シリーズ累計37万部の人気作で、昨年9月に発売された”BEAMS AT HOME For Wellness In Life(宝島社)”という全480ページの書籍が最新刊となっています。
「2014年に第1巻が出版されていて、現在は第7巻まである本なのですが、編集長のような役割をさせていただいていました。元々上司の方が持ってきてくださった企画だったのですが『どんな内容の本にしていくか?』という部分から携わったのでとても思い入れのある企画です。僕はインテリア好きということもあり、ファッションだけでなく、ライフスタイルに切り込んでいきたいという想いがあって。当時から社風も『人を全面に出していく』というのがあったので、その延長線上で『スタッフの自宅にフィーチャーしようか!』みたいな。おしゃれな家に住んでいるスタッフが多いのは知っていたのですが、想像以上に分厚い本になりました(笑)


そしてプライベートでは、社内恋愛で29歳の時に結婚し、現在は一児の父である安武さん。夫婦共にコーディネートが大好きだそうですが、お子さんのコーディネートは奥様に一任していると嬉しそうに話してくれました。「ビームスって、結構社内恋愛多いんです。理由は洋服にものすごくお金を使うから(笑)ビームスで働いていても他社さんの洋服をよく買いに行ったりしますし、結婚しても洋服にはお金を使い続けるので、その価値観が同じ人だったり、それを理解してもらえるというのが決め手の一つなんだと思います。なので他業界の会社の社内恋愛率と比較しても多いと思いますよ(笑)」
お子さんが生まれてからは自然と子ども中心の生活になったといい、昔はあまりプールで泳がなかった安武さんも今ではお子さんの習い事に付き合い、隣の列で25mを一緒に泳ぐほどになったそうです。


自分の夢がわからなくてもいい。好きを追及することを楽しもう


今年で入社18年目を迎える安武さん。これまで”自分の好きなことに素直になる”ということをモットーに仕事をされてきたそうですが、もちろん何度も壁にぶち当たり大変だったこともたくさんあったと話します。そんな時代を乗り越えられたのは学生時代の恩師に言われた言葉のおかげだと話してくれました。
『仕事中の出来事で落ち込んだりしたことは、どれだけプライベートで発散しても解決しないよ』と言われたことがありまして。今も思っているんですが、実際に体験すると本当その通りだなと。理由をしっかり考えて根本の部分を解決しないと、ずっと解決しないままだなと。それまでは仕事で嫌なことがあってもプライベートで気分転換すればいいやと思っていたんですが、違いましたね。考え方が変わりました
また、”自分の好きなことに素直になる”という点についてもお聞きしました。「例えば、アイドルが好きだとします。それでコンサートに行ってみたら、1つのコンサートだけでもたくさんのスタッフが関わっていたり、そもそも集客をするまでにもいろんな人が関わっていたり。自分が好きなことから入ってみて、それを深堀りしてみると意外と新しい発見がたくさん湧いてくると僕は思います。正直、僕自身もまだまだ自分の夢がなんなのかわからないです。でも、素直に深堀りしていくと必ず何かに辿り着くと思ってます」
自分の好きなことを追求し、レベルアップしながら、自身のライフスタイルをデザインし続ける安武さん。そして、今後の新たな活動の1つとして、これまでの道のりで知り合い意気投合した同業他社の仲間の皆さんとある企画を練っていると教えてくれました。
「元々スーツのフロアをずっと担当していたということもあって、『スーツをカッコよく着る人たち』を増やしたいなと思っているんです。お金儲けの話ではなく、ただスーツのカッコよさを発信して、改めてスーツの数ある魅力を知ってほしいなと。同世代の同業他社のメンバーで今まさに絶賛企画中です!」
一般的にスーツはビジネスシーンや冠婚葬祭などで着る機会が多いかと思いますが、今までの固定観念を覆すような新鮮でエキサイティングな企画が練られている可能性もあるのではないでしょうか。今後の安武さんの取り組みから目が離せません!




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