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  • 【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊵ラジオパーソナリティ・松尾さん~"気持ち"と"言葉"は一心同体。「私、心躍ってる?」と自問自答しながらリスナーの皆さんに伝わるエピソードをお届けし続けたい~
【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊵ラジオパーソナリティ・松尾さん~"気持ち"と"言葉"は一心同体。「私、心躍ってる?」と自問自答しながらリスナーの皆さんに伝わるエピソードをお届けし続けたい~

【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊵ラジオパーソナリティ・松尾さん~"気持ち"と"言葉"は一心同体。「私、心躍ってる?」と自問自答しながらリスナーの皆さんに伝わるエピソードをお届けし続けたい~

えぞ財団 2024年2月20日
松尾亜希子:1975年福岡県春日市生まれ。長崎外国語短期大学(現:長崎外国語大学に統合)を卒業後、リポーターとして福岡のKBCメディア(現:KBC UNIE)に就職。その後、22歳でタレント事務所オフィス・ミラソールに移籍し、25歳で結婚。28歳の時に夫の転勤がきっかけで札幌へ移住し、3年前からフリーのラジオパーソナリティとしてAIR-G’FM北海道の複数番組を担当。無類のお茶好きで、中でも特に好きなのは紅茶と緑茶と烏龍茶。

ラジオパーソナリティに必要不可欠なトーク力や想像力は再現度の高い”お店屋さんごっこ”で身に付けていた!?


福岡市内からタクシーで2000円くらいの距離にある春日市で生まれた松尾さん。地元は現在住んでいる札幌とどこか雰囲気の似ている街だといい、北海道の人が転勤になっても馴染みやすい場所だそうです。そんな松尾さんは小さい頃から日常にラジオがある生活を送っていたと話します。
「朝ご飯の時はいつもラジオが流れていて、親がAMラジオ好きなので常にそばにありましたね。それに幼少期は外でワイワイ遊ぶというより『いかに美しい砂団子を作るか』というような遊びをしたり、親を相手に、よく本格的なお店屋さんごっこをやっていました。自分の部屋のアイテムをたくさん並べて、注文取ったり、レシート作って会計したり、包装したりと、本気のお店屋さんでした(笑)今振り返ると小さいながらも細かい部分まで真似をして再現してたのでめちゃくちゃ楽しかった記憶があります」
そして中学では家庭科部、高校では帰宅部だった松尾さんは、とにかくお喋りをする時間が大好きな学生だったと話します。また、高校時代は深夜の学生向けラジオ番組をよく聴いていたといい、自然とラジオパーソナリティの方に憧れていたとか。ちなみに当時流行っていた番組は、ラジオ内で”高校生が告白するコーナー”があるローカル番組。ラジオ放送中に「〇〇高校のA.A.さん、明日の〇時に〇〇に来てください」というようなリアルな内容だったそうで、毎回学校ではその話でもちきりだったと青春時代を振り返ってくれました。「小中学生の時将来の夢はなかったのですが、高校生あたりから『ラジオで喋りたい』『パーソナリティの人にいつか会いたい』って思うようになったんです。ただ小さい頃は、授業中当てられたら恥ずかしくて答えられなくて泣いてしまうくらいの人見知りで、メディア業界に憧れはあるものの、葛藤もありました。でもラジオは『顔が隠れているじゃないか!』と。なので私にとってラジオパーソナリティはちょうどいい職業なんです」


研修したら即実践。場数を踏んで体得した20代前半のリポート業


高校卒業後は福岡県内を出て、長崎県にある長崎外国語短期大学へ入学した松尾さん。短大を希望した理由は留学したかったからだと話します。「元々は短大に入った後、海外の大学に編入したいと思っていました。希望の留学先はアメリカだったのですが、ちょうど授業でアメリカのアイオア州に1ヶ月くらい留学したんです。結果、それで満足しまして就職の道を選びました。就活では地元の百貨店に内定をもらっていたのですが、卒業間際に憧れの業界であるラジオ局の求人を見つけまして。それでやっぱり挑戦したいと思い、試験を受けました」
急遽方向転換を決めた松尾さんでしたが、見事ラジオ業界への入社が決まり、契約社員としてKBCメディアでの仕事がスタートしたそうです。また、短大を卒業したばかりの20歳の松尾さんが経験したこの最初の仕事内容は、現在の土台にもなっていると話してくれました。「AMのラジオ局で、当時8人くらいリポーターがいました。スポンサーの会社や自分で見つけたお店に直接電話交渉してリポートしに行く感じだったので、先輩と2人1組になって、ドライバー兼ディレクターも同時進行という感じでしたね。先輩と役割分担して、原稿書いたり、電波チェックしたり、リポートしたり。仕事内容は想像以上に多岐に渡って、なかなか貴重な経験をさせてもらいました」

母親になったからこそ鍛えられた”対話力”


それから2年間リポーターとして働いた後、さらにメディア業界での経験を積むため福岡のタレント事務所オフィス・ミラソールへ移籍し、ローカルのグルメ番組や旅番組を担当されていたという松尾さん。周りの友達は大学卒業というタイミングだったこともあり、自身も再スタートした時期だと振り返ってくれました。
「移籍した当時はラジオというよりも主にテレビの仕事をしていました。奥様情報番組だったり、アジアを旅する番組だったりと、色々担当させていただいてすごく楽しかったですね。特に旅番組は私も現地へ行ったりして、近場だと韓国や台湾、遠くだとパキスタン。そして25歳で結婚して、夫は大阪、私は福岡という別居婚スタイルでしばらく生活していたのですが、28歳の時に夫が札幌に転勤になりまして。さすがに札幌は新幹線では行けないので、一緒に行くことを決めました」
その後、福岡から札幌での生活に切り替えるタイミングで素敵なご縁が繋がり、天職であるラジオパーソナリティとしてAIR-G’FM北海道で働くことになった松尾さん。2008年にはお子さんを出産し、仕事と育児を両立する生活がスタートしたと話します。「最初は週1回の番組を半年間くらい担当していたんですが、その後からありがたいことに昼番組や深夜番組も担当させていただけることになりまして。ただ、お昼の番組を担当していた時は、月曜から木曜の12時から16時までというスケジュールだったので、その時期はとにかく忙しかったですね。収録以外にも取材や打ち合わせなどの準備もあるし、子どもが小さいのでお迎えにも行ったりと時間の面で正直大変でした。でも、その両立を体験したおかげで、お子さんがいらっしゃるリスナーさんのメッセージにものすごく共感できるようになりました」



リサーチする上で大切にしているのは”共感してもらえる部分を探す”ということ


顔の見えないメディアだからこそ人一倍の工夫が必要となる”ラジオパーソナリティ”という仕事。リスナーさんの頭に映像が浮かぶような話し方や表現方法、そして親近感を感じてくれる話の内容をお届けするために意識していることを教えてくれました。「私はやっぱり日常の他愛もない出来事を楽しめるのがラジオだと思うんです。『どうでもいいことをいっぱい話したい!』って思いますし、リスナーさんが『あ~、それすごく共感できる!』と反応してくれるのを想像しながら大体オープニングトークの1分半くらいは毎回リアルな日常の話をしたり。番組で美味しいお店を紹介するコーナーがあるのですが、例えばその紹介の仕方も『オムライスの卵は割ってふるふる派ですか?それとも固い派ですか?』みたいな。もちろん『オムライス』という商品には店主の方のこだわりやエピソードがあると思うのですが、リスナーさんが『食べてみたい!』って思う表現って、そういうことかなと。自分が食べて美味しいものを紹介したいですし、何事も実際に体験して本当に良いと思ったことを発信するという部分はブレずにやっています。『100情報収集して10伝える』というスタイルですね」
その他には同じラジオ業界でも地域によって仕事の仕方が異なることも教えてくれました。
「福岡の時は本番の少し前に出勤して、情報局の方々が用意してくださっている原稿や資料を確認してラジオに臨んでいたのですが、札幌は自分で下準備から全部担当するというやり方なんです。最初の頃は慣れるのが大変で苦労したんですが、ある時『自分が喋りたいことを発信できるんだ』と気付きまして。そしたらものすごく楽しくなっちゃって、気持ちも楽になったんです。その経験がきっかけで今の考え方に辿り着いてます



絶妙な距離感を持つラジオと親和性が高いコンテンツを探り続けたい!


現在はAIR-G’FM北海道にてレギュラー4番組を担当されている松尾さん。いつもはラジオの中でお話されている松尾さんですが、実は”スパクル!!~Cool Beats & Pop Life~”という担当番組から派生して”スパクル☆ナイト”というライブイベントを開催されているとか。そして、普段は会うのことのできないリスナーさんと顔を合わせて交流できる貴重なイベントが企画された経緯を教えてくれました。
私自身、これまで生きてきた中で音楽に助けられたことがすごく多いんです。それでリスナーの皆さんにも良い音楽にたくさんで出会ってほしいので、まだあまり知られていないけど心に残る曲やこれから有名になりそうなアーティストさんを厳選してスパクルで何回も何回も流すんです。それで実際にアーティストさんを呼んで、生のライブイベントを開催するまでになりました。中には『出演するアーティストはあまり知らないけど、スパクルで聴いて気に入っている曲だからライブ行ってみようかな』って参加してくれたりするリスナーさんもいらっしゃって。2015年から始まってこれまで13回開催したんですが、私自身も大好きな音楽が詰まっている場なので、このライブを引き続き開催していきたいと思ってます!
またその他にも、無類のお茶好きである松尾さん。ご自身のリラックス方法が”お茶を丁寧に淹れること”だったり、ご自宅にも売れるほどたくさんのお茶のラインナップがあるそうですが、そのおかげで番組から派生して実現できたことがあったと話します。
「私お茶が大好きで1日に何度も飲むんです。朝起きたら必ず緑茶を淹れて、お昼はその日の気分で決めて、夕食後は家族で楽しむという感じで。そしてお茶好きをラジオでも公表していたんですが、そしたらなんと札幌の製茶メーカーである『お茶の土倉』さんとのコラボ商品を出させていただくことにもなりまして。自分の好きなことから派生して挑戦させていただいていることなので本当にやりがいがあります」コラボ商品は2021年に“おみくTEA “という商品名で販売開始され、現在は販売終了となっていますが、大好評だったこともあり第2弾まで販売されていたそうです。松尾さんにとっては、お茶を淹れる工程である“茶葉を量って、沸騰したてのお湯を入れて、茶葉がゆっくり開いて、色が変わっていく”という時間を過ごすことが日々の元気の秘訣だと笑顔で話してくれました。



実はタイパ抜群なラジオ。"耳活"して気になる情報だけを受け取ろう


住んでいる地域のラジオを聴くというのが主流の1900年代から、インターネットラジオが登場したことで海外の放送までも聴けるようになった2000年代のラジオ。松尾さん自身もこれからのラジオにはよりたくさんの可能性が秘められていると感じているそうです。「今は『radiko』というアプリから気軽に全国のラジオ検索して聴けるようになりました。その結果、取材の仕方も変わっています。例えば昔は『北海道の番組なので道内だけでインタビューしてください』という方法だったんですが、今はどこでも聴けるから取材地域も限定されないんですよね。それに今多いのが推しのアーティストさんが出演するラジオ番組を全部聴くという方!以前、人気のあるアーティストさんが私の担当番組に出演してくださった時はファンの方から『なかなか聞けない〇〇の話を聞いてくれてありがとうございます』というようなメッセージが来たんです。そのようなきっかけから番組を知ってくれたり、SNSをフォローしてくれたりと、おかげで全国にリスナーさんがいてくださいます。若い世代の方にはまだ馴染みの薄いラジオですが、なんとかして『ラジオの面白さ』を伝えたいと強く思っています
通勤通学の隙間時間などをフル活用できるラジオですが、まだラジオを聴いたことがない人にとっては、どの番組を聴いたらよいか迷う方もいらっしゃると思います。そこで番組のセレクト方法についてもアドバイスをくれました。「例えばアプリ『radiko』で聴くとすると、まずはエリア検索で自分の住んでいる地域のローカル番組を聴いてみてほしいです。もしくはラジオの種類を大きく分けると『音楽を流しているラジオ』と『喋りが多いラジオ』の2択だと思うのですが、好きなアーティストさんや芸人さんを検索してもらって、番組表をざっ~と見てみてほしいです。それを繰り返していると『おすすめ』というのがどんどん出てくるので、そこからエンドレスですよ(笑)」


情報が溢れる現代だからこそラジオを通して伝え続けたい”幸せな瞬間が詰まっている北海道の日常”


現在、札幌に移住して約20年の松尾さん。ラジオパーソナリティとして取材をするため、様々な土地へ足を運んでいらっしゃいますが、やはり北海道には心が動かされる日常がたくさん存在しているとも話してくれました。「道外から来たからこそより感じていることだと思うんですが、改めて北海道って本当に素晴らしい資源がたくさんあります。元々住んでいると近すぎて気づいてないことってあると思うんですが、それをラジオというツールを使って私の言葉で表現して再認識してもらえることができたら嬉しいなって。私の場合は、初めて冬に美瑛に行った時、まだ誰も足を踏み入れていない雪景色を見て、自然と涙が出たんです。こういう体験は本当に初めてで自分でも驚きました。これからもそんな素晴らしい日常のあれこれを発信していきたいですね


普段の生活で注目するポイントは人によって異なりますが、”何事も体験した人には叶わない”という感覚を大切にされている松尾さんが発信する言葉には重みがあります。本来の言葉以上に意味をもたせてくれるトークを聴けるラジオライフをぜひ皆さんもスタートしてみてはいかがでしょうか♪





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