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- 【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊸学童保育所HOME 代表・美馬さん~「こんな学童保育所があったらいいな」を実現。今後は親子双方の悩みを解決できるプラットフォームづくりを~
【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊸学童保育所HOME 代表・美馬さん~「こんな学童保育所があったらいいな」を実現。今後は親子双方の悩みを解決できるプラットフォームづくりを~
えぞ財団
2024年5月31日
美馬萌子:学童保育所HOME代表。1986年、北海道札幌市生まれ。市内高校を卒業後、短大へ進学。2007年新卒で北洋銀行へ就職。17年間、主に預かり資産管理部門で勤務。個人や法人の資産運用・資産形成を担当し、最終職位では課長職としてマネージメント業務を行う。自身の出産・育児の経験から、教育分野に関心を寄せ、2024年4月、札幌市未来局より選定事業者として、認可を得て学童保育事業を起業。JAKC認定キッズコーチングアドバイザー取得。趣味はアウトドアとドラマ鑑賞。
学童保育所HOME | Instagram
”小1の壁”に直面したママ自らが脱サラし、学童保育所HOMEをこの春設立
美馬さんは北洋銀行をこの2024年3月で退社し、現在は学童保育所HOMEを設立、運営しています。自身が子育ての真っただ中で直面した”小1の壁”を、美馬さんはなんとか仕事と子育てと両立してやってこれたことから、”自分のようにより充実した放課後を子どもにすごさせてあげたいという親を助けたい””子どもたちにも安心して放課後過ごせる場を提供したい”と考え、2024年学童保育所HOMEを立ち上げました。美馬さんは札幌市で姉と弟とともに3人兄弟で育ちました。学生時代から、バスケットボールに打ち込み小学校ではミニバスケットボール少年団、中学校ではバスケットボール部に入部し、仲間と共に活発に過ごしました。高校では幅広く交友関係を広げました。高校卒業後も、特段将来の夢はなく、親の勧めのままに札幌市内の短期大学の経営学などを学びました。美馬さんは就職活動時期を迎え「北海道の経済に貢献し、北海道に恩返しができたらとの動機から北洋銀行を受け、合格、入行することにしました」と当時を振り返ります。北洋銀行に入行後は、主に個人や法人の資産運用・資産形成を担当する預かり資産管理部門で働き、ファイナンシャルプランナーなど様々な資格試験を受験しました。また、個人的に興味関心の深かった、宅地建物取引士やSDGs関連資格も取得して充実した社会人生活を送っていました。
自身の出産、子育てで感じた「仕事と子育ての両立の大変さ」 時間の使い方に悩みも
北洋銀行で勤務していた2013年には結婚し、2016年には長男が誕生しました。「仕事と子育ての両立はなかなか大変でしたが、両親のサポートなども含めて比較的楽しみながら過ごしていけました。私は地元が札幌だったこともあり両親が近くにいたため、手厚いサポートを受けられました。しかし私も含め子育てをする別の同僚たちも、突然子どもが体調を崩した際に早退や欠勤、遅刻などと本当に大変な日々を過ごしました。息子がこども園のときに、興味のある習い事を、私が送り迎えをできないからという理由で習わせてあげられなかったり、こども園から帰宅後に勉強や習い事などを含めもう少し有意義な時間を過ごすことはできないのかなと正直悩んでいました」と話してくれました。
直面した”小1の壁”ニュースや話題にはなるが具体的解決策が後手。「それだったら私がやろう!」
美馬さんの長男が小学校1年生に“小1の壁”に直面しました。小1の壁とは、小学校入学前の保育園では朝から比較的夜遅くまで子どもを預かってもらうことが可能ですが、小学生は午前8時ころから2時半くらいまでが学校にいる時間なので、フルタイムの仕事の両立が困難であることです。まさに息子の成長に伴って小1の壁に直面した美馬さん。「ニュースや話題では小1の壁については触れていましたが、まさに自分自身が直面すると、本当に解決策がない、もしくは後手後手なんだなと痛感しました。例えば、学童保育や児童会館についてもかなり調べましたが、学童保育は月額制で比較的金額設定が高い印象がありました。また、各中学校区に1つある児童会館の料金は安かったり無料でしたが、印象としては遊ぶことがメインで手厚い学習指導や宿題サポートなどを求めることはなかなか難しいなという印象でした。銀行でも“小1の壁”に直面した同僚が退職をしたり、ほかのママ友からも理想的な放課後環境を見つけられていないという悩みも聞いていたため、『それだったら私がやろう!』と考えました」と学童保育を運営するに至ったと話してくれました。
銀行を退職し、学童保育所HOMEを設立、札幌市から初採択。「寝られない日々が」
2024年3月、美馬さんは学童保育設立や運営に向けて、17年間勤めた北洋銀行を退職しました。「学童保育の設立や運営に関する知識や経験はもちろん0からのスタートで正直不安はありましたが、自分のように思い通りに子育てと仕事の両立が出来ない親を減らしたいと思い退職しました。いろいろ調べていったら、現在、学童保育所HOMEがある札苗北小学校区は道内屈指のマンモス校であり、近隣の児童館やミニ児童クラブの受け入れ環境を向上させるため、札幌市が放課後クラブを運営する民間事業者を新たに選定、札幌市から助成金の交付を受け、放課後児童クラブを運営する事業者を募集していることを知り、すぐに申請しました。書類づくりやスタッフ確保など本当に寝られないくらい忙しい日々が始まりました(笑)申請が通るかどうかもわかりませんでしたが、札幌市との面接ではママとしての想いだったり、苦労だったり、このために仕事を辞めて私自身環境改善したい!ということを訴え、書類もそろえた結果、見事、事業が採択され、とてもうれしかったです」
土地と中古一軒家を買いスタート。現在は児童集めに奔走、困難の連続。
学童保育運営に関し事業が採択されてからも多忙な日々は続きます。まずは場所を確保しなければいけないので、学校が近い中古物件を探し、一軒家を購入。「まさか、自分たちが住むためではなく事業のためにしかもほぼ即決で、土地付きの一軒家を買う日が来るとは思ってもいませんでした。そこから、内装工事などのハード設備面の構築と同時に、児童募集、保育士さんらスタッフの募集などほぼ一人でやっています。なんとかドタバタではありますが今年の4月にオープンし、現在4人の小学生が通ってくれています」
しかし美馬さんにはつぎなる困難が待ち受けています。札幌市に選定されましたが、登録児童が10名を超えなければ助成金の交付にはならず、約2か月たって6人足りない状況が続いているため、現在美馬さん個人の持ち出しで運営を行っている状況です。また、2025年3月末までに10名に達していない場合は選定事業者としても取り消しとなってしまうため、とにかくまずは広く学童保育所HOMEの存在を知ってもらって、小学生たちに入所してもらう必要があります。
学童保育所HOMEはこんなところ!子どもたちは今も募集中です
「私が立ち上げた学童保育所HOMEは、世の中の子育てする親たちの『こんな学童保育があったら』『子どもを安心して預けることができる』『一緒にいてあげられたら、こんな事をして過ごしたい』を自身が直面している当事者として実現した学童保育所です。今は、10名集まらなかったらどうしよう。と悩みながら奮闘中の日々ですが、登録いただいている児童の保護者から『毎日どんな事をしたか楽しそうに話してくれるので、私も話を聞くのが楽しいです』と声をかけてもらって、子どもたちと親どちらにも喜んでもらえるのが、本当に嬉しいです」
学童保育所HOMEでは学習アドバイザーの監修のもと、宿題だけではなく、学習習慣の定着を行なう取り組みを行っています。学校や家庭でのベース作りである学習習慣を身につけ、自分で取り組みができる自立性ある子どもたちを育てていく狙いです。また習い事教室も多数併設しているので、学校と学童保育所HOMEで完結させることができるので”目が届く”教育を行うことができます。「ただ時間をつぶすだけ、勉強するだけではなく、スポーツや習い事、遊びや料理教室などで、生活力や協調性、自主性など様々な力を育んでいきたいと思っていますし、それは自分自身が息子に望んでいることでもあります」と想いを離してくれました。
「こんな学童保育所があったらいいな」を実現。今後は親子双方の悩みを解決できるプラットフォームづくりを
「今はまだビジネスや運営する観点からは、補助金対象外となっているのでとにかく学童保育所HOMEの存在を世の中に知ってもらって多くの子どもたちに利用してもらいたいと思っていますし、正直焦ってはいます。ただ、私自身がママとして『こんな学童保育所があったらいいな』を実現はできているので楽しく運営できています。とてもニッチですし、当事者になって直面しなければ全くわからないことではありますが、現実悩んでいる人が多くいるし、解決策が乏しい領域だと考えます。将来的には、もっとたくさんの子どもが集まり学べる場として、施設の開放や、保護者のサポート等も積極的におこなって行きたいと思っていますし、私のようにいざ問題に直面して、”仕事と子育ての両立””放課後時間の有効活用”に悩んでいる親子双方の悩みを解決できるプラットフォームを作っていけたらよいなと考えています」
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