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- 【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊺フリーランス農家・小葉松真里さん~フリーランス農家コバマツ誕生!独自の農家スタイルを確立。両親からの心配も~
【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊺フリーランス農家・小葉松真里さん~フリーランス農家コバマツ誕生!独自の農家スタイルを確立。両親からの心配も~
えぞ財団
2024年8月9日
もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。 今回ご紹介するのは、小葉松真里さん。定住する家を持たず”フリーランス農家”という新しい農業との関わり方を産み出し、感じるままに日本中を東西南北駆け巡り農業に従事しながらリスペクトする農家さんを発信する。
小葉松真里:1990年、帯広出身。公務員の父、専業主婦の母と3人家族。帯広市内の小、中、高校を卒業し専門学校への進学を機に札幌へ。十勝毎日新聞社、栗山町地域おこし協力隊などを経て現在。趣味はドライブ、料理。
小葉松真里|Instagram
土地も家も持たない!?”全国の農場を渡り歩くフリーランス農家コバマツ”
小葉松さんが商標登録を持っている”フリーランス農家”という働き方は、全く農業とは無縁の世界で育ってきた小葉松さんが、故郷十勝で出会った農家さんの素晴らしさに感動し「自分も農業をやってみたい!どうしたら自分も農業に携わり、農業を学び、発信することができるだろう?」と思案し考えついたスタイル。土地も家も持たず”全国の農場を渡り歩くフリーランス農家コバマツ”として農繁期ごとに移動し北海道では田植えや野菜の植え付け、秋は和歌山でみかんの収穫、冬は沖縄、沖永良部島で野菜の収穫をしたり、農作業以外では農業ライターとして農業記事を書いたり、講演会や農業体験をしたい人と農家さんをマッチングする活動をしたりと多岐に渡ります。トランクとリュック一つで日本中を歩き農業に従事しています。
専門学校卒業後は地元新聞社へ。”十勝の魅力に気づく”
「よく、ご実家が農家なんですか?」と聞かれるそうですが、父は公務員、母は専業主婦の3人家族。子供の頃はエレクトーンに空手、スケート少年団と習い事やスポーツに汗を流していたそう。「家の中に居るよりも外で遊んでいる方が楽しかった記憶があります。学校でもどちらかというと積極的に手を挙げて、リーダーになることが多かった。これ、という夢はなかったけれど漠然と自分で何か事業をやりたい、自分が代表になって働くイメージがあった。中高生の頃になるとスティーブ・ジョブズやホリエモンこと堀江貴文さんのビジネス本などを読むのが楽しかった」と学生時代から今の小葉松さんの根っこはあったようです。ただ、これといった将来希望する職種が見つかっていなかったので、どんな道に行っても使えるだろう、と札幌の簿記や情報処理を学ぶ専門学校に進学します。卒業時、まだ「これだ」と言える夢が見つかっていなかったことから「自分探し」のためにさまざまなアルバイトを体験します。その中に十勝での飲食店でのアルバイトがありました。「十勝に生まれ、十勝に育ったことで見えていなかった十勝の財産、宝を飲食店のアルバイトを通してお客様から教えて頂く機会もあり、十勝ってすごいんじゃないか?と気がついてもっと十勝を知りたい、応援したいと思うようになりました」即行動の小葉松さんは、十勝のことなら「十勝毎日新聞社だ!」と、地元新聞社事業部の門を叩きます。十勝毎日新聞社の事業部と言えば道内屈指の勝毎花火大会をはじめ、地域に根ざした企業として活動できる、まさに小葉松さんがやってみたかった仕事でした。
一次産業に魅せられ農業の世界へ!苦労の中にも自然を感じる幸せが
地元で地域に根ざした活動をする中で、もっと町を一から造ることをお手伝いできるような、ゼロからスタートすることに関わりたい!と函館でまちづくりを軸とした新規事業の会社へ転職します。そこで1年、新しい会社がスタートする様子や知り合いも誰もいない函館での暮らしを体験します。「何もかもが初めてで知らないことばかりだったが、とにかく町の人が温かかった。ものすごくウェルカムだった」と良い思い出しか残っていないそう。そして小葉松さんは、十勝での体験、函館での体験の中であることに気が付きます。「十勝の農家さんはもちろん、函館も含めて北海道の一次産業の人たちってすごい、かっこいい!一次産業の皆さんがいるから北海道は元気なんじゃないだろうか?」そう気がついた小葉松さんは、持ち前のフットワークで「よし、しっかり農業をやってみよう!」と富良野のメロンが有名な寺坂農園で修行することにしました。それまではいわゆるオフィスワークだった小葉松さん、プレハブの3畳ほどのスペースの住居で、もちろん大自然に囲まれた中で大嫌いだった虫も当たり前にいます、決して楽ではない環境でした。でも、すぐそばに畑があること、土があること、満天の空の美しさが嬉しかったそうです。農作業を初めてすぐの頃は、慣れない作業で時間がかかってしまったり、北海道とはいえ30度を超える夏には必死で作業に集中しているうちに熱中症になってしまい点滴のお世話になったこともありました。それでも、ピンセットでつまむほどの小さな種子から、手間暇をかけて一つ一つ美味しい作物に育てていく喜びはとても大きかったそうです。
再び町づくりのステージへ!農業の魅力発信を
2年間富良野で農業を学び26歳になった小葉松さんは、再び町づくりのステージへチャレンジします。当時、道内でも新規就農が多く、農業の受け入れ体制があった栗山町の地域おこし協力隊として活動することにしました。今まで自分が体験してきた町づくりと農業の2つを活かせる、と考えたからです。「栗山産の美味しい野菜をマルシェで販売したり、規格外野菜でお弁当を作って販売したり、東京の学生さんを招いて農業インターンシップをしたりと農業従事者を応援するだけでなく、生産者さんと外を繋ぐ活動も積極的にやりました。どうしたら特産品をもっと知ってもらえるのか、農家さん達とたくさん話をしながら考えました」農業をサポートするという事は、農作業を手伝うだけでなく情報発信や人と人を繋ぐことも必要。「とにかく農家さんが必要としていることをやろう!」と道内外の人とも関わりながら、活動を続けました。
フリーランス農家コバマツ誕生!独自の農家スタイルを確立。両親からの心配も
栗山での地域おこし協力隊に任務を終えた小葉松さんは、もっともっと農業を応援したい、とオリジナルのスタイル「全国の農場を渡り歩くフリーランス農家コバマツ」として活動することを決意、茨城県では西洋野菜、高知県では生姜、和歌山ではみかん、沖縄ではマンゴーにパイナップルにゴーヤとこれまでの活動でご縁を頂いた農家さんを中心に全国を歩く日々をスタートさせました。「もともとは買ってきたお弁当でOKというタイプでしたが、収穫からゼロ秒の野菜の美味しさを知ってしまい一時期ベジタリアンになったほど野菜の虜になり、野菜ソムリエの資格も取ってしまいました」と自身が感動した味や体験をもっと発信したいと言います。家も決めず大変じゃない?と聞かれることもあるそうですが、楽しみの方が優っているそう。「会社員を辞めた頃は、家も決めずにスーツケース一つで渡り歩く私を両親はとても心配していました。そりゃあ20代の女子が一人でそんなことをしていたら心配しますよね!でも今は私の活動を応援してくれています。」感じるままに進む小葉松さんの周囲も次第に彼女の活動を応援するようになっていました。
まだまだ始まったばかり!スーツケースを引いてコバマツは日本中に行きます
「今まで出会った大人達の中で一番カッコよかったのが十勝の農家さんだった、そこから人生が変わっていった」出会いが小葉松さんの幾つものターニングポイントをつくり、人との出会いが結んだご縁だからこそ頑張れるそう。これまでに訪れた町は地域おこし協力隊の任務中も含め日本全国38都道府県、現在は各地での農作業の合間に東京の出版社からフリーランス農家としての本を出版するため執筆活動もこなしている。「これ、というものがなかった」という小葉松さんは”フリーランス農家コバマツ”としてやりたい事だらけの忙しい日々を送っている。「今後は出会った素晴らしい農家の皆さんを発信したり、もし、同じようにフリーランス農家をやりたい人が出てきた時にどうするかなども考えていきたいです。まだまだやりたいことだらけで時間が足りない!」と今日もスーツケースを引いて日本中を渡り歩いています。
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