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- 【えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊼三井不動産・光村圭一郎さん~講談社で培った”編集”×三井不動産の”未来をつくる仕事” 熱中できることにフォーカスし「楽しみながら成長する」~
【えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊼三井不動産・光村圭一郎さん~講談社で培った”編集”×三井不動産の”未来をつくる仕事” 熱中できることにフォーカスし「楽しみながら成長する」~
えぞ財団
2025年1月12日
もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。今回ご紹介するのは、光村圭一郎さん。
目次
光村 圭一郎(こうむら けいいちろう):1979年東京都府中市生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、2002年に株式会社講談社入社。2007年に三井不動産株式会社に転職し、オフィスビルの開発、運営、部門戦略策定等の業務を経験。現在は柏の葉街づくり推進部で公民学のオープンイノベーションエコシステムの構築に挑戦中。2022年には札幌に拠点を移し、東京との多拠点生活を実現。趣味は焚き火。健康管理は何気に飲んでいる”からだすこやか茶W”。
「ドラえもん」「銀河鉄道999」が好きだった幼少期の夢は宇宙飛行士、のちに”おカタいサラリーマンは似合わない”
東京都府中市で生まれ、その後は関東地方の都市を転々と移り住んだ光村さん。幼少期を振り返ったとき、印象に残るのは本や漫画の存在だと言います。「物心がついたときには、常に身近に本や漫画がある生活でした。初めて親に買ってもらった本は、今も手元に残している『星の王子さま』。先日、友人と雑談で好きな漫画を振り返っていたのですが『ドラえもん』や『銀河鉄道999』など、このころに読んでいた漫画に、今でも大きく影響を受けていることに気づきました。宇宙や未来の技術に憧れがあったんですかね。当時の将来の夢は宇宙飛行士だったと記憶しています」
その後、公立の小中学校を卒業し、早稲田大学高等学院に進学。早稲田大学の附属校であるため、卒業さえすれば大学に進学できる環境だったそうです。「だから、基本的には勉強しないんです(笑)。僕はそもそも、勉強や地道な努力が好きなタイプではない。だから大学に行くにしても、受験や勉強は最低限で済ませたくて、高校から私大の附属校に入るのが一番楽なルートだと知ると、それしか考えないような人なんです。高校に入学した時点で大学に行くことは決まっているから、自ずとその後の進路を考えるようにはなるのですが、その時点では非常に漠然としたもので。なんとなく弁護士や学者を意識していたとは思うのですが、より正確にいうと『公務員や銀行員のようなおカタいサラリーマンは似合わないんだろうな』くらいの感覚でした」
就職氷河期に早稲田大学に進学、朝日新聞でのバイトが貴重な経験に
高校を卒業後、早稲田大学の第一文学部に進むことを決断。当時は就職氷河期であり、一般的に文学部は就職に不利なイメージもありましたが、そこはあまり気にしていなかったそうです。「大学を卒業したらマスコミ業界に進みたいという希望が、ほぼほぼ固まっていたんですよね。マスコミなら文学部でも不利になることはないという、根拠のない楽観論を持っていました」
大学でも生来の“勉強嫌い”は変わらず、勉強とは別の方向に頭を使っていたようです。「『いかに授業に出ずに卒業するか』ということに工夫を凝らしていました(笑)。多くの人が苦労する第二外国語は、幸い高校時代から必修になっていたドイツ語を選択することでクリア。英語も苦手でしたが、テキストが日本語に翻訳されている講義を選んで極力英語を読まずに済ませたり。出席せずともレポートだけ提出すれば単位をくれる授業に的を絞り、休み期間中に集中的に教科書を読んでレポートを書く。本を読むのは苦にならなかったので、その強みを活かした作戦ですね」授業にこそ出席しないものの、サークルの部室にはよく顔を出していたそうです。所属していたのは「現代文学会」という由緒あるサークルで、他のメンバーは小説や評論を執筆したり読書会を開催したりしていたそうですが、光村さんは“飲み会”担当で、大学近くの安居酒屋に入り浸っていたとのこと。また、マスコミ業界を志望する光村さんにとっては恰好のアルバイトとの出会いもありました。
「友達から声がかかって、朝日新聞の編集局でバイトすることになったんです。本社の政治部や経済部のデスクのお手伝い役として、電話番やハイヤーの手配などをする仕事でした。現職の新聞記者の方からいろいろとお話を伺い、時には就職の相談などもできて、非常に貴重な経験になりました」
講談社に就職も感じた違和感。”無類の東京好き”が街を楽しむ側から”つくる側”に!?
2002年に大学を卒業した光村さんが選んだ就職先は講談社。志望どおり週刊誌の編集部に配属され、編集者として働き始めたのですが、すぐに違和感を覚えるようになったと話します。「僕は、週刊誌の編集者に不可欠な資質は『人に対する好奇心』だと思っているのですが、僕にはそれが希薄だったんです。好奇心が強いと自負はしていましたが、それは社会システムや物事に対する興味であって、人に対するものではなかった。本が好きとか文章を書くのが上手いといったテクニックでは誤魔化せない、根本的なところが欠落していたことに気づかされました」
そんな想いを抱えながら迎えた5年目の夏。光村さんはふと、転職してみようかと考え始めます。そして、最初に思いついたのが街づくりに関する仕事でした。「昔から建築や都市に関する話は好きだったんですが、同時に僕は無類の“東京好き”でもありました。就職先に講談社を選んだのも『東京に住み続けることができるから』という理由から。それで、今まではユーザーとして東京を楽しむ側にいたけれど『つくる側』にまわってみても面白いんじゃないかと、少し視点をずらして考えてみたんですね」
そこから行動までは早かったそうです。「東京の街づくりということで、最初に思い浮かんだのが『三井不動産』という会社。それでホームページを見てみると、なんとその日が中途採用のエントリー最終日だった(笑)。勢いでエントリーし、書類も日本橋郵便局に直接持ち込むという力業で提出して、あれよあれよという間に内定をいただきました。当時の僕は不動産業界のことは何も知らず、例えば同じく不動産デベロッパーの大手である三菱地所という会社のことも知らなかった。運命と言えば運命でしょうが、よく受かったものです(笑)」
三井不動産に転職、新規事業担当で「未来をつくる仕事」、東京至上主義だった光村さんが現在は札幌に転居、ハマる
2007年に三井不動産に転職し、新たなスタートを切った光村さん。当初はオフィスビルの開発や運営管理など、不動産デベロッパーの“本流”と言うべき業務を担当していましたが、2012年ごろに大きな転機を迎えました。「新規事業を担当するようになったんです。従来の不動産業の枠を超えて、新しい暮らしのあり方やサービスを、自分がオーナーシップを持って世に問うていくという仕事が、とても新鮮で面白く感じました。結局、以来10年以上、三井不動産で新規事業領域の仕事に関わり続けています。一般にサラリーマンは3〜5年くらいで異動して担当業務が変わっていきますから、相当珍しいキャリアだと思います」
新規事業を担当する中で、新しいモチベーションも発見したそうです。「新規事業は、簡単に言えば『未来をつくる仕事』です。2016年に子供が生まれたとき、僕は少なくともこの子や、この子の子ども(つまり孫)世代までは幸せに暮らせる社会を残す責任が生じたな、と感じました。そう考えることで、より前向きに仕事に取り組むことができるようになったと思います。独身時代は冗談めかして『自分が死んだ翌日に世界が滅んだって、知ったこっちゃない』と言っていたので、ガラッと変わりましたね(笑)」
光村さんは2022年からは札幌に居を構え、東京との二拠点生活を送っています。「札幌に引っ越したのは家族の事情によるものですが、『東京至上主義』だった僕が思いのほか札幌にハマっていて、今では『みんな一度は東京を離れるべき』なんて言っているくらい。実際に住むことで札幌のリアルないいところを発見できたし、東京を相対的に見ることもできるようになりました」
自分の環境や体験を考え、言語化できるからこそ「事前には深く考えないけど、後からよく考えるというのが、僕の特徴」
これまでの人生を振り返って、光村さんは「そんなに威張れた話ではないけど」と前置きした上で、次のように話してくれました。「リクルート創業者の江副浩正さんの言葉に『自ら機会を自ら創り出し、機会によって自らを変えよ』というものがあります。僕は正直、自分からグイグイと機会を創りにいくタイプではないけれど、基本的には楽観的で深く考えていない面がある。だから、巡り会った機会に気軽に飛び込んで、結果的に自分を大きく変えている気がします。そして、それができるのは、逆説的なようですが、自分が置かれている環境や得た体験について考え、言語化しているから。事前には深く考えないけど、後からよく考えるというのが、僕の特徴なんでしょうね」
講談社で培った”編集”×三井不動産の”未来をつくる仕事” 熱中できることにフォーカスし、「楽しみながら成長する」
その言語化スキルは、今の仕事にも活きているそうです。「新規事業を推進するにあたって、社外のスタートアップと交流、連携することも多いのですが、起業家たちの、ともすればまだ生煮えな『やりたいこと』『やるべきこと』をわかりやすい言葉や文脈に整え、そこに自分や自社のリソースを接続することで、さまざまなプロジェクトを生み出せています。これは、ある種の『編集』と呼ぶべき行為。一度は諦めてしまった編集という仕事を、こうして別の形で表現しているというのは、なんとも不思議な気分でもあります」
自分の得意なことや熱中できることにフォーカスし、”努力している”という意識ではなく”楽しみながら成長する”ことでパワフルに動き回る光村さん。これからのご活躍にも目が離せません!
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